“禽獣”のいろいろな読み方と例文
旧字:禽獸
読み方割合
きんじゅう80.0%
きんじう7.7%
とりけもの7.7%
きんじゆう1.5%
とりけだもの1.5%
もの1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悲しいかな、われわれは花を不断の友としながらも、いまだ禽獣きんじゅうの域を脱することあまり遠くないという事実をおおうことはできぬ。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
彼女は暇さへあれば何時いつも沼のほとりにたゝずんだ。彼女ほどに熱情的な愛着を以つて草木さうもく禽獣きんじうに親んだ者はなかつた。
愛は、力は土より (新字旧仮名) / 中沢臨川(著)
猟師かりうどの家につかへ、をさをさ猟のわざにもけて、朝夕あけくれ山野を走り巡り、数多の禽獣とりけものを捕ふれども。つらつら思へば、これまことおおいなる不義なり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
夷狄いてきは□□よりもいやしむべきに、かしこくも我が田鶴見の家をばなでう禽獣きんじゆうおりと為すべき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
僕も御用に付いて他府県へ出張する事もあり、又は洋行をもする、其の長い間、三年でも五年でも僕の留守中まさか禽獣とりけだものじゃアなし、鎖で繋ぎ置く事も出来ん、しかし斯う云う心掛の悪い女子じょしなれば
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
縦令たとひ主命とはいひながら、罪なき禽獣ものいたずらにいためんは、快き事にあらず。彼の金眸に比べては、その悪五十歩百歩なり。ここをもて某常よりこの生業なりわいを棄てんと、思ふことしきりなりき。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)