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断念
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あきらめ
ふりがな文庫
“
断念
(
あきらめ
)” の例文
旧字:
斷念
ちょっとなまって、甘えるような口ぶりが、なお、きっぱりと
断念
(
あきらめ
)
がよく聞えた。いやが上に、それも
可哀
(
あわれ
)
で、その、いじらしさ。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身を
断念
(
あきらめ
)
てはあきらめざりしを
口惜
(
くちおし
)
とは
云
(
い
)
わるれど、笑い顔してあきらめる者世にあるまじく、
大抵
(
たいてい
)
は奥歯
噛
(
か
)
みしめて思い切る事ぞかし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これで
断念
(
あきらめ
)
るかと思いのほか、また翌年の夏船でやって来て、ひちくどく纏いつきますけん、お種も腹を立て、
云分
(
いいぶん
)
つくる気なら勝手にしなされ
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と云って、
此
(
こ
)
のままに
立去
(
たちさ
)
るほどの
断念
(
あきらめ
)
は付かぬ。断念の付かぬのも無理はない。重太郎は宝に心を
惹
(
ひか
)
されて、
徒爾
(
いたずら
)
に幾日かを煩悶の
中
(
うち
)
に送った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし
良人
(
おっと
)
は
私
(
わたくし
)
よりも
先
(
さ
)
きに
歿
(
なく
)
なって
居
(
お
)
り、それに
又
(
また
)
神
(
かみ
)
さまが、
時節
(
じせつ
)
が
来
(
く
)
れば
逢
(
あ
)
わしてもやると
申
(
まう
)
されましたので、そちらの
方
(
ほう
)
の
断念
(
あきらめ
)
は
割合
(
わりあい
)
早
(
はや
)
くつきました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
夫の方からは病気になつたからとて離婚するは人情でないから出来ぬと言ふ反対の手紙が二三囘来たけれども、親の方からは病気の性質がよくないから
断念
(
あきらめ
)
ろと言つてやつた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
嬢様の
撰択
(
おみたて
)
に預からうといふ野心満々たる面々は何れも愚劣極まつた鼻持ならぬ連中だ子。君達も及ばぬ恋の滝登りに首尾よく及第しやうといふ
僥倖党
(
げうかうたう
)
だから
断念
(
あきらめ
)
の
為
(
た
)
め話して聞かせやう。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
居さえすれば渡して進ぜる、
居
(
お
)
らぬが実じゃで
断念
(
あきらめ
)
さっし。と言わせも果てず眼を怒らし、「まだまだ
吐
(
ぬか
)
すか面倒だ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その秋にお種は利七のところへ
輿入
(
こしい
)
れいたしましたが、陳はそれでも
断念
(
あきらめ
)
兼ねたと見えまして、それから足掛三年
唐人屋敷
(
かんない
)
に
居住
(
いす
)
んでおりましたが、さすがに
気落
(
らくたん
)
して
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あなたは
亀屋
(
かめや
)
に
御出
(
おいで
)
なされた御客様わたくしの難儀を見かねて
御救
(
おすくい
)
下されたは
真
(
まこと
)
にあり難けれど、
到底
(
とても
)
遁
(
のが
)
れぬ
不仕合
(
ふしあわせ
)
と身をあきらめては
断念
(
あきらめ
)
なかった先程までの
愚
(
おろか
)
が
却
(
かえ
)
って
口惜
(
くちおしゅ
)
う御座りまする
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すると案じるより
産
(
うむ
)
が安いで、長い間こうやって一所に居るが、お前様の
断念
(
あきらめ
)
の可いには
魂消
(
たまげ
)
たね。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
厭でござります、厭でござります、塔の建てたいは山〻でも
既
(
もう
)
十兵衞は
断念
(
あきらめ
)
て居りまする、御上人様の
御諭
(
おさとし
)
を聞いてからの帰り道すつぱり思ひあきらめました、身の程にも無い考を持つたが間違ひ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
水
(
みづ
)
も
白
(
しろ
)
く
夜
(
よ
)
も
明
(
あかる
)
く
成
(
な
)
つた……お
浦
(
うら
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
知
(
し
)
れ、
其
(
そ
)
の
在所
(
ありか
)
も
分
(
わか
)
り、
草鞋
(
わらぢ
)
や
松明
(
たいまつ
)
で
探
(
さぐ
)
つた
処
(
ところ
)
で、
所詮
(
しよせん
)
無駄
(
むだ
)
だと
断念
(
あきらめ
)
も
着
(
つ
)
く……
其
(
それ
)
に、
魔物
(
まもの
)
の
手
(
て
)
から
女房
(
にようばう
)
を
取返
(
とりかへ
)
す
手段
(
しゆだん
)
も
出来
(
でき
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
照子は
頤
(
おとがい
)
にて数え、「二円八十銭……。」と言い懸けて
莞爾
(
にっこ
)
と笑い、「お安いものよ、ねえ貴下。」予算よりは三倍強なるに「えッ。」と
眼
(
まなこ
)
を
睜
(
みは
)
りしが、天なるかなと
断念
(
あきらめ
)
て
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……また、忘れるために、その上、年に老朽ちて世を離れた、と自分でも
断念
(
あきらめ
)
のため。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いかん、だめだもう、僕も殺したいほどの
老爺
(
おやじ
)
だが、職務だ!
断念
(
あきらめ
)
ろ」
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
断念
(
あきらめ
)
のために、折から夫理学士は、公用で九州地方へ旅行中。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夜
夜中
(
よなか
)
あてこともねえ駄目なこッた、
断念
(
あきらめ
)
さっせい。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
断
常用漢字
小5
部首:⽄
11画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
“断”で始まる語句
断
断崖
断乎
断末魔
断然
断食
断片
断々
断腸
断間