“あきらめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アキラメ
語句割合
断念36.6%
斷念17.1%
絶念14.6%
12.2%
諦念9.8%
諦観2.4%
所詮2.4%
諦悟2.4%
諦觀2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身を断念あきらめてはあきらめざりしを口惜くちおしとはわるれど、笑い顔してあきらめる者世にあるまじく、大抵たいていは奥歯みしめて思い切る事ぞかし
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いゝえ、死んだのなら却て斷念あきらめがつきますが別れたぎり、如何なつたのか行方いきがたが知れないのですよ。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
往時むかしは大きな漁業を営んで、氷の中にまで寝たというこの老人の豪健な気魄きはくと、絶念あきらめの早さとは年を取っても失われなかった。女達の親しい笑声が起った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さりとてはあきらめも得ず、またのどの悟りをも見ね、ただすこしおのれ知るからただ堪へてへりくだるのみ。ややややにかくてあるまで。寂しがり寂しがるなる。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
然るにこのバルヂピエロはもう若いもので無いと諦念あきらめを附けることの出来ない人として、世間の人に知られてゐる。此人は今も機会があつたら若いものの真似をしようとしてゐる。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
ですから、死への諦観あきらめは、当然できておらねばならぬわけです。因縁ということくらい、十分に考えておらねばならぬわけです。ところが、事実は全くこれと正反対です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
身体の健全な人には、薬の必要がないように、一切をすっかり諦観あきらめた心の健全な人ならば、何も苦しんでわざわざ心の薬を求める必要はありません。いま仮に、東京から京都へ汽車で行くとします。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
いいえ、妾は所詮あきらめてしまったのです。いつか各州のブルジョワは彼等の利益のために結合するのです。この支那の社会に直接プロレタリア革命は到底不可能な企業としか考えられぬのです。
地図に出てくる男女 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
そこへ高田城主の江戸詰と聞き、小さな復讐は放棄せよと、洞斎老人の意見ではあったなれど、いかにしても諦悟あきらめが着かなかった。
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
徘徊たもとほる象の細目ほそめさか諦觀あきらめの色ものうげに見ゆ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)