諦念あきらめ)” の例文
首をられる時なぞも、尋常に斬られる。女は尋常に服従したそうだ。無論小川君の好嫖致はおぴやおちな所も、女の諦念あきらめを容易ならしめたには相違ないさ。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
然るにこのバルヂピエロはもう若いもので無いと諦念あきらめを附けることの出来ない人として、世間の人に知られてゐる。此人は今も機会があつたら若いものの真似をしようとしてゐる。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
然處しかるところ貴君の行跡全く此希望と相反あひそむき候は、今更是非なき次第と諦念あきらめ候より外無之候。
絶望はせぬが、諦念あきらめも附かない。11480