断念おもいき)” の例文
旧字:斷念
それはそうとどうしようかしらん、到底言わずには置けんこったから、今夜にも帰ッたら、断念おもいきッて言ッてしまおうかしらん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「よろしい、よろしい」と、西宮はうなずきながら、「平田の方は断念おもいきッてくれるね。私もお前さんのことについちゃア、後来こののち何とでもしようから」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「しかたがありません、断念おもいきらないわけには行かないのだから。もう、音信たよりも出来ないんですね」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
その夜文三は断念おもいきッて叔母に詫言をもうしたが、ヤてこずったの梃ずらないのと言てそれはそれは……まずお政が今朝言ッた厭味に輪を懸け枝を添えて百万陀羅まんだらならべ立てた上句あげく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
全くそれが原因もとでお勢の事を断念おもいきらねばならぬように成行きはすまいかと危ぶむからで。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)