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守
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も
ふりがな文庫
“
守
(
も
)” の例文
住持とは、お寺を
守
(
も
)
り立てて行く坊さんのことをいうのです。和尚さんがそう言うものですから、小僧さんも子供心に考えまして
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
野田山に墓は多けれど
詣来
(
もうでく
)
る者いと少なく墓
守
(
も
)
る法師もあらざれば、雑草
生茂
(
おいしげ
)
りて
卒塔婆
(
そとば
)
倒れ
断塚壊墳
(
だんちょうかいふん
)
算を乱して、満目
転
(
うた
)
た荒涼たり。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし僕の
守
(
も
)
りをした「つうや」はなぜかそれを許さなかった。あるいは僕だけ馬車へ乗せるのを危険にでも思ったためかもしれない。
追憶
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勇蔵
(
ゆうぞう
)
に
代
(
か
)
わって
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
の
守
(
も
)
りをしながら、ボールを
見
(
み
)
ていた
達吉
(
たつきち
)
の
耳
(
みみ
)
へも、
一人
(
ひとり
)
の
子供
(
こども
)
が
飛
(
と
)
んできて、
伯父
(
おじ
)
の
災難
(
さいなん
)
を
知
(
し
)
らせました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
押し問答を続けた末、結局、国枝氏は旧友の熱誠にほだされ、
謂
(
い
)
わば気違いのお
守
(
も
)
りをする気で、療養所へ同行することになった。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
残されたことはただ一つ、婚約の二人の行手に待っている幸福にたいする信念を、一同の胸中に
守
(
も
)
り立てて、シャンパンを飲むだけである。
真珠の首飾り:――クリスマスの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
「ようと笑いなさい。色恋かも知れん。年寄のお
守
(
も
)
りばっかりしとると若い人が恋しゅうなる。子供でもよい。なあ七代さん。ホホホ……」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「時務、軍務などは、いくら
多端
(
たたん
)
でも何ともせぬが、先帝(後醍醐)のお
守
(
も
)
りにはとんと手を焼いたぞ。佐々木、早よう何とかならんかな」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姥竹は姉娘の生まれたときから
守
(
も
)
りをしてくれた女中で、身寄りのないものゆえ、遠い、覚束ない旅の
伴
(
とも
)
をすることになったと話したのである。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此の立つは
私
(
わたくし
)
ならず、人ひとり
守
(
も
)
るとにあらず、
皇国
(
すめぐに
)
をただに清むと、正しきにただに
反
(
かへ
)
すと、心からいきどほる我はや。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
自分が姉を見上げた時に、姉の後に
襷
(
たすき
)
を掛けた
守
(
も
)
りのお松が、
草箒
(
くさぼうき
)
とごみとりとを両手に持ったまま、立ってて姉の肩先から自分を
見下
(
みおろ
)
して居た。
守の家
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
おばあさんは私の家にくると、いつも私のお
守
(
も
)
りばかりしていた。そうしておばあさんは大抵私を数町先きの「牛の
御前
(
ごぜん
)
」へ連れて行ってくれた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
朱
(
しゆ
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、
羊
(
ひつじ
)
守
(
も
)
る
娘
(
こ
)
が、戀に惱んで
畠
(
はたけ
)
に
眠
(
ね
)
てゐる姿、
羊牧
(
ひつじかひ
)
はゆきずりに匂を吸ふ、
山羊
(
やぎ
)
はおまへに
觸
(
さは
)
つてゆく、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「イヤ、こいつは参った。まったく言われてみると、狂人のお
守
(
も
)
りをしているわれらも、こう退屈では、いつのまにか気が変になろうも知れぬテ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
生まれた直後、乳母を雇い、その乳母が私を
守
(
も
)
りした。この女は隣村の
越知
(
おち
)
村からきた。その乳母の背に負ぶさって乳母の家に行ったことがあった。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
神聖な方としてお
守
(
も
)
り立てしていきたかった宮様も、世間の女並みに浮き名を立てられておしまいになることがもってのほかに思われてならなかった。
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
こんないやなことばかり考えていましたので、セーサルは子どものお
守
(
も
)
りを、つい忘れてしまっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
だから、逢引の相手だつて、おんば、
守
(
も
)
りつ
娘
(
こ
)
、下女、夜鷹と、その日の天氣具合で變つたさうですよ。佛樣の惡口を言つちや濟まないが、浮ばれねえ男で——
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
だって私は妹の
守
(
も
)
りをすることもあるし、忙がしいのだから、一緒になるにはそれより方法がないからだ。
こんにゃく売り
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
見
(
み
)
るが
切
(
せ
)
めての
樂
(
たの
)
しみなり
我
(
わ
)
れは
望
(
のぞ
)
みとて
無
(
な
)
き
身
(
み
)
なれば
生涯
(
しやうがい
)
この
家
(
や
)
に
御奉公
(
ごほうこう
)
して
御
(
お
)
二
タ
方
(
かた
)
さま
朝夕
(
あさゆふ
)
の
御世話
(
おせわ
)
さては
嬰子
(
やゝ
)
さま
生
(
う
)
まれ
給
(
たま
)
ひての
御抱
(
おだ
)
き
守
(
も
)
り
何
(
なに
)
にもあれ
心
(
こゝろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この頃、爺さんは袋町へも行かないで、終日家にこもってお位牌のお
守
(
も
)
りをしていることが多い。
神楽坂
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
早く夫に別れて、年の行かぬ二人の子供を
守
(
も
)
り立てて行ったのは、容易なことでなかったろう。
私の母
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
「
白砥
(
しらと
)
掘
(
ほ
)
ふ
小新田
(
をにひた
)
山の
守
(
も
)
る山の
末
(
うら
)
枯れ
為無
(
せな
)
な
常葉
(
とこは
)
にもがも」(巻十四・三四三六)等がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
幼年時代を
守
(
も
)
りしてくれた大河にたいする郷愁が、その散歩で多少和らげられた。ああそれはもちろん、かの父なるライン河ではなかった。かの全能的な力は少しもなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
娘の
守
(
も
)
りにしてしまっては国元の親たちに済まぬという心づかいもあったらしいが丁稚一人の将来よりも春琴の機嫌を取る方が大切であったし佐助自身もそれを望んでいる以上
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
有っても無くてもいいよまいごとを書いて、これを文芸呼ばわりをし、前人の
糟粕
(
そうはく
)
を
嘗
(
な
)
めては
小遣
(
こづかい
)
どりをし、小さく固まってはお山の大将を
守
(
も
)
り立てて、その下で小細工をやる。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
心の中を見れば、王だとて豚の
守
(
も
)
りする豚飼もおなじこと、奴隷もおなじことである。
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
誰があの人にケガのないようにお
守
(
も
)
りをするの、誰が時間どおりに薬をのませるの? 今さら包みかくしたところでしようはないわ、わたしあの人を愛しています、そりゃ明白よ。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
付き添いの
守
(
も
)
りの女が少女を抱き上げて、田川夫人の口びるをその額に受けさしていた。葉子はそんな場面を見せつけられると、
他人事
(
ひとごと
)
ながら自分が皮肉でむちうたれるように思った。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
散りこすな
努
(
ゆめ
)
と言ひつゝ、
幾許
(
こゝだく
)
も
吾
(
あ
)
が
守
(
も
)
るものを、
慨
(
うたて
)
きや
醜
(
しこ
)
ほとゝぎす、
暁
(
あかつき
)
の
心悲
(
うらかな
)
しきに、追へど追へど尚ほし
来
(
き
)
鳴きて、
徒
(
いたづら
)
に地に散らせれば、
術
(
すべ
)
をなみ
攀
(
よ
)
ぢて
手折
(
たを
)
りて、見ませ
吾姉子
(
あぎもこ
)
。
浮標
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
筆で
唇
(
くちびる
)
を真っ赤に塗った佝僂の子がそこの机のところに立ち、その子がお
守
(
も
)
りをしなきゃならない小さな妹たちは
暴
(
あば
)
れまわって、部屋の
隅々
(
すみずみ
)
までよごしているというような有様なんです。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
疆
(
さかひ
)
守
(
も
)
る
兵
(
つはもの
)
も汝が翼を遮ることあるまじきぞ。その一裹は尊き神符にて、また打出の小槌なり。おのが寶を掘り出さんまで、事
闕
(
か
)
くことはあらじ。黄金も出づべし、
白銀
(
しろかね
)
も出づべしといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お
風呂
(
ふろ
)
へ行くにも髪結いさんへ行くにも、何とかかとか言って、子供を
守
(
も
)
りするふうをして幸ちゃんが付いて来るの。どこの主人でも、抱えとお客とあまり親密になることは禁物なんだわ。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
言いすてて武男はかつて来なれし屋敷
内
(
うち
)
を回り見れば、さすがに
守
(
も
)
る人あれば荒れざれど、戸はことごとくしめて、
手水鉢
(
ちょうずばち
)
に水絶え、庭の青葉は茂りに茂りて、ところどころに
梅子
(
うめのみ
)
こぼれ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
内匠頭の
舎弟
(
しゃてい
)
大学を
守
(
も
)
りたてて、ならぬまでもお家の再興を計った上、その成否を見定めてから事を挙げようとするものと、そんな宛にもならぬことを当にして、便々と待ってはいられない
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「あんたみたいに、
神
(
かみ
)
さんの
守
(
も
)
りをしてる人は、他のお宮へ參つても、まツさら他人のやうな氣がしましよまい。」と、酒も煙草も呑まぬ千代松は、三度目の
急須
(
きふす
)
の茶を入れかへながら言つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
十八、九のはてれ
隠
(
かく
)
しに自分の
守
(
も
)
り
児
(
こ
)
のかぼそい女の児を抱き上げて
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
髪の毛の逆立っているクニ子の
守
(
も
)
りをしながら祖母のかやは口ぐせに
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
三吉座
(
みよしざ
)
という小芝居の白壁に幾筋かの
贔負幟
(
ひいきのぼり
)
が風に吹かれているのを、一様に黒い屋根の間に見出した時はことに嬉しかった。芝居好きの車夫の
藤次郎
(
とうじろう
)
が父の役所の
休日
(
やすみ
)
には私の
守
(
も
)
りをしながら
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「新吉、いつまでめしを食ってるんだえ。さっさとお
守
(
も
)
りをしな。」
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
それからは、八幡様が村人の遊び場所となり、昼間皆がたんぼに出ますと、その間
狸
(
たぬき
)
が子供達を
守
(
も
)
りしてくれました。もし狸に
仇
(
あだ
)
するような
獣
(
けもの
)
が来ますと、次郎七と五郎八とが鉄砲で打ち取りました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
久方の天のはらからむつびあひて親を
守
(
も
)
るこそうらやましけれ
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
衆人敬ひ我に聽き、至上のヂュウス我を
守
(
も
)
る。 175
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
酔ひ寝ては鼠がはしる肩と聞き寒き夜
守
(
も
)
りぬ歌びとの妻
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
暫くもいかが忘れん君を
守
(
も
)
る心くもらぬ三熊野の月
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お前達は腐った根性を
守
(
も
)
り育てている。4915
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
やからもの——
忍辱
(
にんにく
)
守
(
も
)
るに道はなし。
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
須貝 僕がお
守
(
も
)
りをしましたからね。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
惱みてわれは
扉
(
と
)
を
守
(
も
)
る沙門『
不淨
(
ふじやう
)
』
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
天
(
あめ
)
の
宮
(
みや
)
御垣
(
みかき
)
は
守
(
も
)
るに、いかなれば
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
守
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“守”を含む語句
見守
守護
子守
鎮守
守銭奴
国守
守衛
遠江守
留守中
守人
守札
御守
太守
目守
看守
宮守
上泉伊勢守
河内守
牢守
守子
...