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倚
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も
ふりがな文庫
“
倚
(
も
)” の例文
襖
(
ふすま
)
をあけて、
椽側
(
えんがわ
)
へ出ると、向う二階の
障子
(
しょうじ
)
に身を
倚
(
も
)
たして、那美さんが立っている。
顋
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
のなかへ
埋
(
うず
)
めて、横顔だけしか見えぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幼なき方は
床
(
とこ
)
に腰をかけて、寝台の柱に
半
(
なか
)
ば身を
倚
(
も
)
たせ、力なき両足をぶらりと下げている。右の
肱
(
ひじ
)
を、傾けたる顔と共に前に出して
年嵩
(
としかさ
)
なる人の肩に懸ける。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御蔭
(
おかげ
)
で、岩で骨が痛んだり、泥で着物が
汚
(
よご
)
れたりする憂いがないだけ、
惨憺
(
みじめ
)
なうちにも、まだ嬉しいところがあった。そうして、硬く曲った背中を壁へ
倚
(
も
)
たせた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「恐ろしい
頑固
(
がんこ
)
な山だなあ」と四角な胸を突き出して、ちょっと桜の
杖
(
つえ
)
に身を
倚
(
も
)
たせていたが
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今夜はマドンナの君にお
逢
(
あ
)
いですかと野だが云う。赤シャツは
馬鹿
(
ばか
)
あ云っちゃいけない、間違いになると、船縁に身を
倚
(
も
)
たした
奴
(
やつ
)
を、少し起き直る。エヘヘヘヘ大丈夫ですよ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
倚
漢検1級
部首:⼈
10画
“倚”を含む語句
倚掛
偏倚
倚凭
倚子
倚懸
安樂倚子
相倚
倚添
倚木
倚水楼
偎紅倚翠
倚託
半倚
山倚
彼此相倚
狂倚
竹倚
長倚子
倚頼
倚陶軒
...