)” の例文
とフウフェランドは蘭訳らんやくの書を先輩の日本訳の書に引き較べて見たのであるが、新しい蘭書を得ることが容易たやすくなかったのと
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と人間には儼然として侵すべからざる権利が存在するもので、これは万人にわたって等しく固有なるべきはずのものである。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
理屈に合せんとすれば文学に遠く、文学に適せんとすれば理屈を離るること、と両者全くその性を異にするより来る者故是非ぜひもなき事なり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
夫れから同じ長州の藩士で東条礼蔵とうじょうれいぞうと云う人も矢張やはり私と同僚飜訳方ほんやくがたで、小石川の蜀山人しょくさんじん住居すまいう家にすんで居た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と両学派の執るところの根本学説の差違に存するのであって、その実自然法派と歴史派との争論に外ならぬのである。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
不図ふと出会うと中国もので、矢張と松平越後様のい役柄を勤めました松蔭大之進まつかげだいのしんの忰、同苗どうみょう大藏だいぞうというもので、浪々中互いに知って居りますから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
教養カルチユーアと自然を尊びて、真朴を主とするものなり、古より大人君子の成せしところ、けだし之に過ぐるなきなり、平坦なる真理は遂に天下に勝つべし
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
翌日あくるひはわれアヌンチヤタが爲めに百千もゝちの計畫を成就じやうじゆし、百千の計畫を破壞して、終には身の甲斐かひなさを歎くのみなりき。嗚呼、われはとカムパニアの野の棄兒なり。
静に底から洩いて来て、外へ溢れてゐた。その泉のやうに、自分はしんの生活をしてゐたのだ。そこへあの女が来た。今では尼になつてアグニアと呼ばれてゐる女である。
妾も覚えず慄然りつぜんたりしが、さりながら、と鋭敏の性なりければ、く獄則を遵守じゅんしゅして勤勉おこたらざりし功により、数等を減刑せられ、無事出獄して、大いに悔悟かいごする処あり
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ゆゑに前後不覚に渇する者能くこれを買ふべし、その渇のいゆるに及びては、玉漿なりとして喜びきつせしものは、と下水の上澄うはずみに過ぎざるを悟りて、痛恨、痛悔すといへども
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
南洲はいんかいせず、ひて之をつくす、たちま酩酊めいていして嘔吐おうどせきけがす。東湖は南洲の朴率ぼくそつにしてかざるところなきを見てはなはだ之をあいす。嘗て曰ふ、他日我が志をぐ者は獨此の少年子のみと。
先刻ささやき合った、それだ、小雨のそば降るように来た、一行の中には偃松を見て、引き返すような男はいない、しかしと、路でないところへ割り込んで来たのである、白檜の林はともあれ
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
(八兵衛の事蹟については某の著わした『天下之伊藤八兵衛』という単行の伝記がある、また『太陽』の第一号に依田学海の「伊藤八兵衛伝」が載っておる。実業界に徳望高い某子爵はと八兵衛の使用人であって、先年物故した夫人はタシカ八兵衛の遺子であった。)
たすク可キ者ノ我国ニ欠損けっそんシテ而シテ未ダ備ハラザルヲ思ヒ此ニ漸ク一挙両得ノ法ヲもとメ敢テ退食たいしょくノ余暇ヲぬすンデ此書ヲ編次シすなわ書賈しょこヲシテ之レヲ刊行セシメ一ハ以テ刻下教育ノ須要ニ応ジ一ハ以テ日常生計ノ費ヲ補ヒテ身心ノ怡晏いあんヲ得従容しょうよう以テ公命ニ答ヘント欲ス而シテ余ヤト我宿志しゅくしヲ遂ゲレバ則チ足ル故ヲ
されど物語の畢りし時、彼は色を正して諫むるやう、この一段のことはと生れながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
れから又母はと中津生れであるが、長く大阪に居たから大阪のふうに慣れて、小供の髪の塩梅式あんばいしき、着物の塩梅式、一切大阪風の着物よりほかにない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と卑賤に身を起し、ち大法官に挙げられ、貴族となって、ロード・セント・レオナルド(Lord St. Leonald)と号した人である。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
わが生、と虚弱、加ふるに少歳、生を軽うして身をやぶりてより、功名念絶えて唯だ好む所に従ふを事とす。不幸にして籍を文園に投じ、猜忌さいきの境に身を揷めり。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
とわれは山水の語ることを得べきや否やを疑ふものなり。山水の全景は一齊に人目を襲ふ。
と自分の洋行せしは、親よりいて従妹なる者と結婚せしめられ、初めより一毫いちごうの愛とてもなきものを、さりとは押し付けの至りなるが腹立たしく、自暴やけより思い付ける遊学なりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
成程あんたはと戸田さまの御藩中だが、今は機屋だから機屋らしい事をなければなりませんよ、御近所に原與左衞門はらよざえもんも居りますから、たれか解るものを頼んで、体能ていよあれを東京へ帰すとか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
飯田さんはと宮内省の官吏で、今某会社の監査役をしているのだそうである。西江戸川町の大きい邸はすぐに知れた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
丁度ちょうどその時に榎本の妹の良人おっと江連えづれ加賀守かがのかみう人があって、この人はと幕府の外国奉行を勤めて居て私は外国方がいこくがたの飜訳方であったからしって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と彼にあって我にない事物を指すのであるから、どうせ我国民に取っては新語である。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
御書状拜讀仕候つかまつりそろと拙者の貴君の御世話可致いたすべくと決心候節、貴君の爲めにはかり候は、當地に於いて正當なる教育を受けられ、社會に益ある一人物となられ候樣にと希望候儀に有之これあり候。
されど物語のをはりしとき、彼は色を正していさむるやう、この一段のことはと生れながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「小部分ですとも。と少壮官吏と云ったような人だけで催すことになっていたのが、人の出入でいりがある度に、色々まじって来たのですよ。今では新俳優もいます」
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
大村が云うには、二人はと交互の好奇心から接近して見たのであるが、先方でもこっちでも、求むる所のものを得なかった。そこで恩もなく怨みもなく別れてしまった。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と私の家の向いはがけで、根津ねづへ続く低地に接しているので、その崖の上には世にう猫の額程の平地しか無かった。そこに、根津が遊郭ゆうかくであった時代に、八幡楼やはたろうの隠居のいる小さい寮があった。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この穂積ほづみという家は、と県で三軒と云われた豪家の一つである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)