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素
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も
ふりがな文庫
“
素
(
も
)” の例文
素
(
も
)
とフウフェランドは
蘭訳
(
らんやく
)
の書を先輩の日本訳の書に引き較べて見たのであるが、新しい蘭書を得ることが
容易
(
たやす
)
くなかったのと
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
素
(
も
)
と人間には儼然として侵すべからざる権利が存在するもので、これは万人に
渉
(
わた
)
って等しく固有なるべきはずのものである。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
理屈に合せんとすれば文学に遠く、文学に適せんとすれば理屈を離るること、
素
(
も
)
と両者全くその性を異にするより来る者故
是非
(
ぜひ
)
もなき事なり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
夫れから同じ長州の藩士で
東条礼蔵
(
とうじょうれいぞう
)
と云う人も
矢張
(
やは
)
り私と同僚
飜訳方
(
ほんやくがた
)
で、小石川の
素
(
も
)
と
蜀山人
(
しょくさんじん
)
の
住居
(
すまい
)
と
云
(
い
)
う家に
住
(
すん
)
で居た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
素
(
も
)
と両学派の執るところの根本学説の差違に存するのであって、その実自然法派と歴史派との争論に外ならぬのである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
▼ もっと見る
不図
(
ふと
)
出会うと中国もので、矢張
素
(
も
)
と松平越後様の
好
(
よ
)
い役柄を勤めました
松蔭大之進
(
まつかげだいのしん
)
の忰、
同苗
(
どうみょう
)
大藏
(
だいぞう
)
というもので、浪々中互いに知って居りますから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
教養
(
カルチユーア
)
は
素
(
も
)
と自然を尊びて、真朴を主とするものなり、古より大人君子の成せしところ、
蓋
(
けだ
)
し之に過ぐるなきなり、平坦なる真理は遂に天下に勝つべし
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
翌日
(
あくるひ
)
はわれアヌンチヤタが爲めに
百千
(
もゝち
)
の計畫を
成就
(
じやうじゆ
)
し、百千の計畫を破壞して、終には身の
甲斐
(
かひ
)
なさを歎くのみなりき。嗚呼、われは
素
(
も
)
とカムパニアの野の棄兒なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
静に底から洩いて来て、外へ溢れてゐた。その泉のやうに、自分は
素
(
も
)
と
真
(
しん
)
の生活をしてゐたのだ。そこへあの女が来た。今では尼になつてアグニアと呼ばれてゐる女である。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
妾も覚えず
慄然
(
りつぜん
)
たりしが、さりながら、
素
(
も
)
と鋭敏の性なりければ、
能
(
よ
)
く獄則を
遵守
(
じゅんしゅ
)
して勤勉
怠
(
おこた
)
らざりし功により、数等を減刑せられ、無事出獄して、大いに
悔悟
(
かいご
)
する処あり
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
故
(
ゆゑ
)
に前後不覚に渇する者能くこれを買ふべし、その渇の
癒
(
いゆ
)
るに及びては、玉漿なりとして喜び
吃
(
きつ
)
せしものは、
素
(
も
)
と下水の
上澄
(
うはずみ
)
に過ぎざるを悟りて、痛恨、痛悔すといへども
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
南洲は
素
(
も
)
と
飮
(
いん
)
を
解
(
かい
)
せず、
強
(
し
)
ひて之を
盡
(
つく
)
す、
忽
(
たちま
)
ち
酩酊
(
めいてい
)
して
嘔吐
(
おうど
)
席
(
せき
)
を
汚
(
けが
)
す。東湖は南洲の
朴率
(
ぼくそつ
)
にして
飾
(
かざ
)
るところなきを見て
酷
(
はなは
)
だ之を
愛
(
あい
)
す。嘗て曰ふ、他日我が志を
繼
(
つ
)
ぐ者は獨此の少年子のみと。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
先刻
咡
(
ささや
)
き合った、それだ、小雨のそば降るように来た、一行の中には偃松を見て、引き返すような男はいない、しかし
素
(
も
)
と
素
(
も
)
と、路でないところへ割り込んで来たのである、白檜の林はともあれ
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
(八兵衛の事蹟については某の著わした『天下之伊藤八兵衛』という単行の伝記がある、また『太陽』の第一号に依田学海の「伊藤八兵衛伝」が載っておる。実業界に徳望高い某子爵は
素
(
も
)
と八兵衛の使用人であって、先年物故した夫人はタシカ八兵衛の遺子であった。)
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
翼
(
たす
)
ク可キ者ノ我国ニ
欠損
(
けっそん
)
シテ而シテ未ダ備ハラザルヲ思ヒ此ニ漸ク一挙両得ノ法ヲ
覓
(
もと
)
メ敢テ
退食
(
たいしょく
)
ノ余暇ヲ
偸
(
ぬす
)
ンデ此書ヲ編次シ
乃
(
すなわ
)
チ
書賈
(
しょこ
)
ヲシテ之レヲ刊行セシメ一ハ以テ刻下教育ノ須要ニ応ジ一ハ以テ日常生計ノ費ヲ補ヒテ身心ノ
怡晏
(
いあん
)
ヲ得
従容
(
しょうよう
)
以テ公命ニ答ヘント欲ス而シテ余ヤ
素
(
も
)
ト我
宿志
(
しゅくし
)
ヲ遂ゲレバ則チ足ル故ヲ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
されど物語の畢りし時、彼は色を正して諫むるやう、この一段のことは
素
(
も
)
と生れながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
夫
(
そ
)
れから又母は
素
(
も
)
と中津生れであるが、長く大阪に居たから大阪の
風
(
ふう
)
に慣れて、小供の髪の
塩梅式
(
あんばいしき
)
、着物の塩梅式、一切大阪風の着物より
外
(
ほか
)
にない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
素
(
も
)
と卑賤に身を起し、
後
(
の
)
ち大法官に挙げられ、貴族となって、ロード・セント・レオナルド(Lord St. Leonald)と号した人である。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
わが生、
素
(
も
)
と虚弱、加ふるに少歳、生を軽うして身を
傷
(
やぶ
)
りてより、功名念絶えて唯だ好む所に従ふを事とす。不幸にして籍を文園に投じ、
猜忌
(
さいき
)
の境に身を揷めり。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
素
(
も
)
とわれは山水の語ることを得べきや否やを疑ふものなり。山水の全景は一齊に人目を襲ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
素
(
も
)
と自分の洋行せしは、親より
強
(
し
)
いて従妹なる者と結婚せしめられ、初めより
一毫
(
いちごう
)
の愛とてもなきものを、さりとは押し付けの至りなるが腹立たしく、
自暴
(
やけ
)
より思い付ける遊学なりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
成程あんたは
素
(
も
)
と戸田さまの御藩中だが、今は機屋だから機屋らしい事を
為
(
し
)
なければなりませんよ、御近所に
原與左衞門
(
はらよざえもん
)
も居りますから、
誰
(
たれ
)
か解るものを頼んで、
体能
(
ていよ
)
く
彼
(
あれ
)
を東京へ帰すとか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
飯田さんは
素
(
も
)
と宮内省の官吏で、今某会社の監査役をしているのだそうである。西江戸川町の大きい邸はすぐに知れた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
丁度
(
ちょうど
)
その時に榎本の妹の
良人
(
おっと
)
に
江連
(
えづれ
)
加賀守
(
かがのかみ
)
と
云
(
い
)
う人があって、この人は
素
(
も
)
と幕府の外国奉行を勤めて居て私は
外国方
(
がいこくがた
)
の飜訳方であったから
能
(
よ
)
く
知
(
しっ
)
て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
素
(
も
)
と彼にあって我にない事物を指すのであるから、どうせ我国民に取っては新語である。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
御書状拜讀
仕候
(
つかまつりそろ
)
。
素
(
も
)
と拙者の貴君の御世話
可致
(
いたすべく
)
と決心候節、貴君の爲めに
謀
(
はかり
)
候は、當地に於いて正當なる教育を受けられ、社會に益ある一人物となられ候樣にと希望候儀に
有之
(
これあり
)
候。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
されど物語の
畢
(
をは
)
りしとき、彼は色を正して
諫
(
いさ
)
むるやう、この一段のことは
素
(
も
)
と生れながらなる弱き心より出でしなれば、今更に言はんも甲斐なし。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「小部分ですとも。
素
(
も
)
と少壮官吏と云ったような人だけで催すことになっていたのが、人の
出入
(
でいり
)
がある度に、色々
交
(
まじ
)
って来たのですよ。今では新俳優もいます」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大村が云うには、二人は
素
(
も
)
と交互の好奇心から接近して見たのであるが、先方でもこっちでも、求むる所のものを得なかった。そこで恩もなく怨みもなく別れてしまった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
素
(
も
)
と私の家の向いは
崖
(
がけ
)
で、
根津
(
ねづ
)
へ続く低地に接しているので、その崖の上には世に
謂
(
い
)
う猫の額程の平地しか無かった。そこに、根津が
遊郭
(
ゆうかく
)
であった時代に、
八幡楼
(
やはたろう
)
の隠居のいる小さい寮があった。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この
穂積
(
ほづみ
)
という家は、
素
(
も
)
と県で三軒と云われた豪家の一つである。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“素”の意味
《名詞》
(もと)原材料、あるものを構成するもの、エッセンス。
(ス)正気。
(ソ)(数論)1とそれ自身のほかに約数を持たないこと。また1のほかに公約数を持たないこと。
(出典:Wiktionary)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
“素”を含む語句
平素
素直
素性
素人
素裸
素馨
質素
素地
素振
素破
素見
素絹
素生
素描
要素
素敏
素姓
素面
素袍
素通
...