“素絹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そけん53.3%
しらぎぬ26.7%
しらきぬ6.7%
しろぎぬ6.7%
そぎぬ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おや?」と、趙子龍が振り向いてみると、雪のような素絹そけんをまとった美人が楚々と入ってきて
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肌に素絹しらぎぬ襦袢じゅばんを着て単衣ひとえを着ている姿は、国持大名の小姓であることを語っている。見れば、はいている白足袋はほこりで鼠色になっている。
三浦右衛門の最後 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
振袖の三枚がさねを掴みのけて、棺のかたわらに押し込みますと、その下から現われましたのは素絹しらきぬに蔽われました顔、合掌した手首を白木綿で縛られている清らかな二の腕、紅友禅べにゆうぜん長襦袢ながじゅばん
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
俊寛は、ふと鳥羽とばで別れるとき、妻の松の前から形見かたみに贈られた素絹しろぎぬの小袖を、今もなおそのままに、持っているのに気がついた。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
皮膚は蝋燭の様に白く透通すきとおり、鼻は低いが口元は小さく、その丸い両の眼玉は素絹そぎぬを敷いた様に少しボーッとしてはいますが、これが又何と言いますか、恐ろしく甘い魅力に富んでいるんです。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)