“透通”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すきとお61.5%
すきとほ38.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さびしい風が裏の森を鳴らして、空の色は深くあおく、日の光は透通すきとおった空気に射渡さしわたって、夕の影が濃くあたりをくまどるようになった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
わけエ時分には散々おふくろに苦労をさせました…勇助さん此の水を御覧なさい、能く澄んでるでしょう、透通すきとおって底が見えるぐらいだのに
改札口かいさつぐちつめたると、四邊あたりやまかげに、澄渡すみわたつたみづうみつゝんで、つき照返てりかへさるゝためか、うるしごとつややかに、くろく、玲瓏れいろうとして透通すきとほる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
薄暗いランプの光に照されて透通すきとほるやうに白い襟足えりあしに乱れかゝつて居る後毛おくれげが何となくさびしげで、其根のがつくりした銀杏返いちやうがへしが時々ふるへて居るのは泣いてゐるのでもあるのか
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)