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最
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も
ふりがな文庫
“
最
(
も
)” の例文
ことに
最
(
も
)
っと不思議なことは、晩、登山したものが、この堂宇の裏から陰気な犬の
遠吼
(
とおぼ
)
えのような
唸
(
うな
)
りが絶え間なく漏れてくること
天狗
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
男
(
をとこ
)
は
女蕩
(
をんなた
)
らしの
浮氣
(
うはき
)
もの、
近頃
(
ちかごろ
)
は
嫂
(
あによめ
)
の
年増振
(
としまぶり
)
に
目
(
め
)
を
着
(
つ
)
けて、
多日
(
しばらく
)
遠々
(
とほ/″\
)
しくなつて
居
(
ゐ
)
たが、
最
(
も
)
う
一二年
(
いちにねん
)
、
深
(
ふか
)
く
馴染
(
なじ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのであつた。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「こんな事でもしなかったら、
彼奴
(
あいつ
)
は
吃驚
(
びっく
)
りしますまい。……だが
最
(
も
)
う私達は伊右衛門のことなど、これからは勘定に入れますまい」
隠亡堀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
老人
(
としより
)
に
子供
(
こども
)
だから
馬鹿
(
ばか
)
にして
思
(
おも
)
ふやうには
動
(
うご
)
いて
呉
(
く
)
れぬと
祖母
(
おばあ
)
さんが
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たつけ、
己
(
お
)
れが
最
(
も
)
う
少
(
すこ
)
し
大人
(
おとな
)
に
成
(
な
)
ると
質屋
(
しちや
)
を
出
(
だ
)
さして
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一行には
最
(
も
)
う旅費が尽きていたので、各々旅費の借用を申込んだので、皆川氏は少し渋面作ったが終にいくばくかを流用してくれた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
▼ もっと見る
しかし朝風呂の熱いのに飛込んで、ゆで蛸のようになって喜ぶような
江戸子
(
えどっこ
)
風の潔癖は、時勢と共にお客の方にも
最
(
も
)
うなくなっている。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「それに
最
(
も
)
一つ私は念を押して置きますよ。久々で江戸へ帰ったとて、女という女は、どんな女とでも、仲好くすると承知しませんよ」
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
そして
最
(
も
)
はや美麗な六花の雪にはならなくなる。大抵は角柱と側面との集合になるか、各種の小結晶の不規則集合となってしまう。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
内儀も
酷
(
ひど
)
く心を痛められる際と云い三時からは又裁判所の呼出しにも応ぜねば成らぬ事だから
最
(
も
)
う少しは休息なさらねば
能
(
よ
)
く有る
舞
(
ま
)
い
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
甲「出来んなら尚宜しい、さ出ろ、病身結構だ、広々した飛鳥山へ出て華々しく果合いをしなせえ、
最
(
も
)
う了簡
罷
(
まか
)
りならん、
篦棒
(
べらぼう
)
め」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
写真で知つて居る詩人の
垂下
(
たれさが
)
つた長い
髭
(
ひげ
)
は
最
(
も
)
う白く成つて居るかと云ふ様な事を聞いた。詩人は故郷の
白耳義
(
ベルジツク
)
を旅行して居るのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
私が曾て
苅心
(
かるしん
)
と署名して四日間といふガルシンのスケッチを反訳して新小説に出したことがあるが、あんなものまで
最
(
も
)
う反訳されてある。
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
弱点と申しても
最
(
も
)
っと突込んで観察が深くないと、
都
(
すべ
)
て男の方の勝手に作られた嘘の弱点になって、真実の女の醜い所が出て参りません。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「漣もお伽噺ばかり書いてるようでは
最
(
も
)
うお
終
(
しま
)
いです、その内には必ず本統の小説を書きます」と、或時私に語った事があった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
今度
(
こんど
)
こそは
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
寸分
(
すんぶん
)
豚
(
ぶた
)
に
相違
(
さうゐ
)
ありませんでしたから、
愛
(
あい
)
ちやんも
最
(
も
)
う
其
(
そ
)
れを
伴
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
くのは
全
(
まつた
)
く
莫迦氣
(
ばかげ
)
たことだと
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
これは薄桃色すなわちいわゆる桜色の花が
最
(
も
)
う二月頃に咲く。花色が一方の緋寒桜より
淡
(
うす
)
いから人によってはこれを
白寒桜
(
しろかんざくら
)
といっている。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「左様なら、チヨンよ、
私
(
わし
)
は
最
(
も
)
う帰るから、早くお父さんの所へお出で、兄さんや姉さん達もあの岩の上に居るぢやないか、左様なら……」
山さち川さち
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「兄さん、
最
(
も
)
う帰りませう。」と油井が云出したのは十二時近くであつた。二組共客は帰つて、下では最う戸を閉め始めた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
いよいよ
最
(
も
)
う
駄目
(
だめ
)
と
観念
(
かんねん
)
しました
時
(
とき
)
に、
私
(
わたくし
)
は
自分
(
じぶん
)
が
日頃
(
ひごろ
)
一ばん
大切
(
たいせつ
)
にしていた一
襲
(
かさね
)
の
小袖
(
こそで
)
を、
形見
(
かたみ
)
として
香織
(
かおり
)
にくれました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
然
(
さ
)
うですか。だが何だね、バイロンは
最
(
も
)
う古いんでさ。あんなのは今ぢや最う
古典
(
クラシック
)
になつてるんで、
彼國
(
むかう
)
でも第三流位にしきや思つてないんだ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「そんなら
最
(
も
)
一度頼んで来まつさ。なに
理由
(
わけ
)
を話したら先生の事やさかい、半切の一枚や二枚ちよつくらちよつと書いて呉りやはりますやろ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お前が
真実
(
ほんとう
)
に金持になれば、どんな
良
(
い
)
いお嫁さんだって貰えるんだから……。妾よりも若い、
最
(
も
)
っと綺麗な人がお
内儀
(
かみ
)
さんに
能
(
でき
)
るんだから……。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かれは
最
(
も
)
う外の友達の事を問ふ気力がないから、さも困つた様に、「そして誰も此内でリツプ、フアン、ヰンクルを知つたものはありませんか。」
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
声を揚げて人を呼ぶ気力も
最
(
も
)
うない。折よく連の人が来たので、自分の容態を話し、とても人力には乗れぬから
釣台
(
つりだい
)
を周旋してくれまいかと頼んだ。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
最
(
も
)
う少し南寄りの場所、例えばニコライの塔か又は本郷元町辺の高い処ならば、頂上が見られるに相違ないと信ずる。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
お互にしばらく黙している内にも、予は我に返って考えるとなく考えた、この問題については
最
(
も
)
少
(
すこ
)
し聞いておかねばならぬ、こう
思
(
おもい
)
ついたので様子を測って
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
もう歩かないがいい、
最
(
も
)
う決して外に出るなとお葉の良心は命じた。しかし良心の命ずることは常に淋しい。そして何の反抗もない悲しみが迫つて來るのだ。
三十三の死
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
小塩津
(
こしほづ
)
の浜まで十五町辿つて来ると、岩が無くなつて、砂浜が幅広く一帯につづいて
日出
(
ひい
)
の絶端まで一望に見渡される。伊良湖の裏浜は
最
(
も
)
う一里程で尽きるのだ。
伊良湖の旅
(新字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
一心に長い手紙を
披
(
ひろ
)
げてゐる、お文の肉附のよい横顔の、白く光るのを、時々振り返つて見ながら、源太郎は、
姪
(
めひ
)
も
最
(
も
)
う三十六になつたのかあアと、
染々
(
しみ/″\
)
さう思つた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「さあ
最
(
も
)
う
起
(
お
)
きて
頂戴
(
ちようだい
)
」に
變
(
かは
)
る
丈
(
だけ
)
であつた。
然
(
しか
)
し
今日
(
けふ
)
は
昨夕
(
ゆうべ
)
の
事
(
こと
)
が
何
(
なん
)
となく
氣
(
き
)
にかゝるので、
御米
(
およね
)
の
迎
(
むかひ
)
に
來
(
こ
)
ないうち
宗助
(
そうすけ
)
は
床
(
とこ
)
を
離
(
はな
)
れた。さうして
直
(
すぐ
)
崖下
(
がけした
)
の
雨戸
(
あまど
)
を
繰
(
く
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しつかりした
基礎
(
もとゐ
)
のないこの新しい劇團は、
最
(
も
)
うこれで凡が滅びてしまふ運命を持つてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
「じゃ、これッ切り
最
(
も
)
う会えないねえ。何だか残り惜しいなあ。お別れに飯でも食べよう。……何が好いか? ……かしわにしようか。」と、私は手を鳴して
朝飯
(
めし
)
を誂えた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
最
(
も
)
う、とても病人はだめでございます。こゝ五六日間は餘程注意して居らなければなりません。非常にうはこと、うめきをしますので、なんとも云はれぬ心細さを感じてゐます。
湖畔手記
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
我等二分に買ふべしといふに三五郎
打笑
(
うちわら
)
ひ
若
(
もし
)
々先生
新
(
あたら
)
しい時でさへ四五百文位ゐ
最
(
も
)
う
老
(
おい
)
こんで七ツ
過
(
すぎ
)
の
代物
(
しろもの
)
だ二百がものも
有
(
ある
)
まいに夫を二分に
買
(
かは
)
んとは合點の
行
(
ゆか
)
ぬ
事
(
こと
)
なりと云ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は
勿論
(
もちろん
)
幼少だから
手習
(
てならい
)
どころの話でないが、
最
(
も
)
う十歳ばかりになる兄と七、八歳になる姉などが手習をするには、
倉屋敷
(
くらやしき
)
の中に手習の師匠があって、
其家
(
そこ
)
には
町家
(
ちょうか
)
の小供も来る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
当家
(
こちら
)
のお弟子さんが危篤ゆえ
知
(
しら
)
せると
云
(
いわ
)
れ、妻女は
偖
(
さて
)
はそれ
故
(
ゆえ
)
姿を
現
(
あらわ
)
したかと
一層
(
いっそう
)
不便
(
ふびん
)
に思い、その
使
(
つかい
)
と
倶
(
とも
)
に病院へ車を
飛
(
とば
)
したが
最
(
も
)
う間に
合
(
あわ
)
ず、彼は死んで
横倒
(
よこたわ
)
っていたのである
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
その神々よりも
最
(
も
)
っと偉大であることを、その神々よりも最っと偉大であることを!
ウスナの家
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
「
最
(
も
)
うそんなお話は
止
(
や
)
めに致しましょうね。でも貴郎、かかり
合
(
あい
)
になるといけませんから、
他人様
(
ひとさま
)
にマンドリンの音を聞いたなどと
仰有
(
おっしゃ
)
らない方がようございますよ」折江は
良人
(
おっと
)
の顔を
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
今頃この
淋
(
さび
)
しい林中に、あんな光の
点
(
とも
)
って居る
筈
(
はず
)
は無い、実に不思議千万である、イヤ不思議なばかりでは無く、
誰
(
だれ
)
でも恐ろしく思うだろう、露子は
最
(
も
)
う
此処
(
ここ
)
から逃げ帰ろうかと考えたけれど
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
蹴散し
洒落
(
しやれ
)
散したれ
坂下驛
(
さかもとえき
)
を過るころより我輩はしばらく
措
(
おい
)
て
同行
(
どうぎやう
)
三人の鼻の穴次第に擴がり
吐
(
つ
)
く息
角立
(
かどた
)
ち洒落も
追々
(
おひ/\
)
苦しくなり
最
(
も
)
うどの位來たらうとの
弱音
(
よわね
)
梅花道人序開きをなしぬ横川に滊車を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
ここにゐる兼吉さんから委細の話は
直
(
じき
)
にあるはず、一口に申せば何でもない事、ただもう清さん恋しやほうやれほといふやうなわけと、何だか分りにくい
言草
(
いいぐさ
)
に兼吉気の毒がり、一中も
最
(
も
)
う沢山
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
昨日
(
きのう
)
……たしか
昨日
(
きのう
)
と思うが、
傷
(
て
)
を負ってから
最
(
も
)
う一昼夜、こうして二昼夜三昼夜と
経
(
た
)
つ内には死ぬ。何の
業
(
わざ
)
くれ、死は一ツだ。
寧
(
いっ
)
そ
寂然
(
じっ
)
としていた方が
好
(
い
)
い。
身動
(
みうごき
)
がならぬなら、せんでも
好
(
い
)
い。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
船脚が深く沈んで、
最
(
も
)
う少しで水が入る程になつた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
名所図絵にありそうな人通りを見ていると、
最
(
も
)
う何もかも忘れました。が、宝丹は用心のために、柄にもない船頭が買ったんですが。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞き「成る程夫は面白いが
最
(
も
)
う藻西太郎が白状して仕舞たよ、
全
(
すっ
)
かり白状したから外に何の様な疑いが有ても自然に消滅する訳だ」
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
若「も
往
(
ゆ
)
けません、
漸
(
ようよ
)
う此処まで我慢して歩いて来ましたので、
私
(
わたくし
)
は
此様
(
こんな
)
に歩いた事はないものですから、
最
(
も
)
う何うしても
往
(
い
)
けません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
悲しいとか情ないとかいうよりも
最
(
も
)
っと強い混乱した感情に
打
(
うた
)
れます。不朽でない人間の運命に対する
烈
(
はげ
)
しい反抗をも覚えます。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、実は
最
(
も
)
う小説どころでなかった。根本の人生の大問題が頭の中で
渦
(
うず
)
を巻いていた。身に迫る生活上の苦労がヒシヒシと押寄せて来た。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
閘門
(
かふもん
)
が数箇所に設けられて
其
(
その
)
上に架した鉄橋は汽船の通過する度に縦に開く仕掛に成つて居る。
併
(
しか
)
し
此
(
この
)
新港
(
しんみなと
)
も
最
(
も
)
う新しくは無い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
きよ子の性質として妙に大人じみた考えをよく話し出すことをお俊は気に
煩
(
わずら
)
っていたから、——お俊は
最
(
も
)
う一度たずねて見た。
童話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
“最”の解説
路最(ろさい)は、衛氏朝鮮の国家運営にあたった4人の合議メンバー(朝鮮相路人、朝鮮相韓陰、尼谿相参、将軍王唊)の1人である路人の子。
(出典:Wikipedia)
最
常用漢字
小4
部首:⽈
12画
“最”を含む語句
最初
最後
最中
最先
最終
最惜
最前
最上
最愛
最早
最近
最高
眞最中
最期
最少
最大
最上川
最一
最低
最合
...