『七面鳥』と『忘れ褌』『しちめんちょう』と『わすれふんどし』
『斉正、その方は七面鳥を持っているか』 鍋島斉正が登城したとき、将軍家定がだしぬけにこんな質問を発したから斉正は面喰らった。 『……』 『持っているじゃろう、一羽くれ』 『不用意にござります。わたくし生来活き物を好みませぬので——』 『はて …