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焔
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も
ふりがな文庫
“
焔
(
も
)” の例文
おのおのが、その身辺の地上で
焔
(
も
)
えているベトベトした油のかたまりのようなものに蒲団やら、土やらをかぶせて退治して、また一休み。
薄明
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
非常に冷たきものにふれた時熱き感触を味わうように、探偵小説の運ぶものは冷たい熱情、
焔
(
も
)
ゆる冷厳であるであろう。
探偵小説の芸術性:――文学のメカニズム――
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
また能く火と変じ、その竜火湿を得ればすなわち
焔
(
も
)
ゆ、水を得ればすなわち
燔
(
や
)
く、人火を以てこれを逐えばすなわち
息
(
や
)
む、竜は卵生にして思抱す〉
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
原動機
(
げんどうき
)
は廻転し、ベルトはふるえ、
軸
(
シャフト
)
は油をなめまわし、
攪拌機
(
かくはんき
)
はかきまわし、
加熱炉
(
かねつろ
)
は赤く
焔
(
も
)
え、
湯気
(
ゆげ
)
は白く噴き出し、えらい騒ぎが毎日のように続いた。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
坪内君その前に出でて名を成したがために文学上のアンビションを
焔
(
も
)
やしたのでさもなければやはり世間並の職業に従事してシャレに戯文を書く位で終ったろう。
明治の文学の開拓者:――坪内逍遥――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
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残暑
焔
(
も
)
ゆるがごとき炉の傍に、終日
屹坐
(
きつざ
)
して思いに沈みぬ、その日の夕、にわかに戸を
敲
(
たた
)
くものありき、彼は愕として飛び立ちしが気を静めておそるおそる戸を明けしに
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
抜いた刀を肩に
担
(
かつ
)
ぎ、ヒラリと庭へ躍り出たが、見れば
庭園
(
にわ
)
の四方八方
蟻
(
あり
)
の這い出る隙間もなく
鎧武者
(
よろいむしゃ
)
ヒシヒシと取り囲み、高張り
提灯
(
ぢょうちん
)
、
松火
(
まつ
)
、
篝火
(
かがりび
)
、真昼の如く
焔
(
も
)
え光り
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この噂の虚実は別として、この新聞を見た若い美術家の中には椿岳という画家はどんな豪い芸術家であったろうと好奇心を
焔
(
も
)
やしたものもまた決して少なくないだろう。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
焔
(
も
)
えるような女の手であった。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
焔
漢検準1級
部首:⽕
11画
“焔”を含む語句
火焔
炎焔
焔々
焔硝
余焔
焔先
火焔車
焔硝樽
白焔
焔炎
紅焔
大火焔
気焔
大気焔
光焔
氣焔
怪気焔
酸水素焔
焔魔樣
大氣焔
...