薄明はくめい
東京の三鷹の住居を爆弾でこわされたので、妻の里の甲府へ、一家は移住した。甲府の妻の実家には、妻の妹がひとりで住んでいたのである。 昭和二十年の四月上旬であった。聯合機は甲府の空をたびたび通過するが、しかし、投弾はほとんど一度も無かった。まち …
作品に特徴的な語句
そろい かよ ふさ うさぎ 田舎いなか 甲府こうふ 疎開そかい 真似まね 茶碗ちゃわん 田圃たんぼ 眼蓋まぶた 石榴ざくろ 糜爛びらん 片隅かたすみ ばち あく こけ 黴菌ばいきん 首肯うなず 頬張ほおば 頑張がんば すみ 間代まだい しず なべ かま 茅野ちの まで 蹂躙じゅうりん 親戚しんせき すそ うち 溜息ためいき 合掌がっしょう 安堵あんど うれ とつ むく 因果いんが うわさ うしな 履物はきもの 厄介やっかい かさ 修繕しゅうぜん 云々うんぬん 三鷹みたか ちょう 措置そち 一縷いちる 浅間あさま ほとん 機嫌きげん 板塀いたべい しばら 炊事すいじ 按配あんばい 所詮しょせん ある 慇懃いんぎん 慄然りつぜん 怪我けが かす