“一縷”の読み方と例文
読み方割合
いちる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、伸子にして見ると、このどうにもならない窮境を、どうにかして切抜けたいと、そこに一縷いちるの望みを抱くのにも無理はなかった。
罠に掛った人 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
何故に僕等は知らず識らずのうちに一縷いちるの血脈を相伝したか、——つまり何故に当時の僕は茂吉を好んだかと云ふことだけである。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何かしら心の隅に一縷いちるの望みが残っているような気がした。彼はそれをたしかめるまでは、この勝負をあきらめる気にはなれなかった。
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)