“光焔”の読み方と例文
読み方割合
こうえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洛中の屋根も、東山連峰も、塔のさきも、なべて一面の雲の海であり、見たものは、巨大な光焔こうえんの車だけであった。
沼南が議政壇に最後の光焔こうえんを放ったのはシーメンス事件を弾劾だんがいした大演説であった。沼南の直截ちょくせつ痛烈な長広舌はこの種の弾劾演説に掛けては近代政治界の第一人者であった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
かがり、松明は道のかぎり、蜿蜒えんえん光焔こうえんつらねた。その火は町から村を縫い、湖畔の水に映じ、山蔭山裾にそい、陽も落ちて、夕闇せまる頃は、一大美観を現じていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)