)” の例文
城主の半兵衛が、病をおかして帰って来たのは、安土の命もだしがたく、自分らのり育てている松千代の処決しょけつに見えられたものにちがいないということも、さすがに直感して
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「叔父上には、お年もお年、戦陣へお出向きあるよりは、ここにござあって、和子や女子たちの、後顧こうこの者をおり下されたほうがありがたい。大殿にも私からそう申しあげておきましょう」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清洲以後は幼君のおりも怠って、ただひとえに、私利私慾の営みに汲々きゅうきゅうとし、洛内においては、私権をほしいままにし、洛外においては、事もない今日、はばかりもなく、堅固な築城に莫大なついえをかけている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(——この和子様をこそり育てて)
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)