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炎
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も
ふりがな文庫
“
炎
(
も
)” の例文
此凄まじい日に照付られて、一滴水も飲まなければ、
咽喉
(
のど
)
の
炎
(
も
)
えるを
欺
(
だま
)
す
手段
(
てだて
)
なく
剰
(
あまつ
)
さえ
死人
(
しびと
)
の
臭
(
かざ
)
が
腐付
(
くさりつ
)
いて
此方
(
こちら
)
の体も
壊出
(
くずれだ
)
しそう。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
そつと眺めると砂からは湯気のやうな陽炎が
炎
(
も
)
えたつてゐた。それが忽ち乾いて、ジリ/\と反りかへつてゆくかのやうな白い砂原だつた。
熱い砂の上
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
社会のありのまゝの実力を認めて、猶その上に向ふ見ずになる勇気を煽る程の自己の真実に対する
炎
(
も
)
え上る情熱がない。
平塚明子論
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
菅笠のかげの頬は、烈しい作業のせいで火のように紅く
炎
(
も
)
えている。その黒くうるんだ眼にも変りがない。ただ、その躰つきだけは見ちがえるようにガツシリとしている。
押しかけ女房
(新字新仮名)
/
伊藤永之介
(著)
五郎は何となく、
向日葵
(
ひまわり
)
の方に歩いていた。向日葵は盛りが過ぎて、花びらが後退し、種子のかたまりが、妊婦の腹のようにせり出している。美しい感じ、
炎
(
も
)
えている感じは、もうなくなっていた。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
愛
(
かな
)
しみの
炎
(
も
)
ゆるに似たりかまつかの濡れて
美
(
かな
)
しき
朱
(
あけ
)
の小さきは
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
清らの泉は太陽の光に
炎
(
も
)
え立つた。
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
今日の日も陽は
炎
(
も
)
ゆる、地は睡る
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
宇宙万物の流転の涯しもない煙りが人々の胸に
炎
(
も
)
えて怖ろしく佗しい道をたどつて行く原始人の底知れぬ落莫感に起因したといふ話を聞いて
真夏の夜の夢
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
同時に逸子の頭の中では、彼の冷淡な、おもひやりのない態度に対する怒りが、火のやうに、一時に
炎
(
も
)
え上つて来た。
惑ひ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
炎
(
も
)
えるやうな 消えるやうな
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
俺は、一見君などからは退屈風に見られる場合だつて、俺の胸のうちには何時も或る種の熱情が
炎
(
も
)
えてゐるんだ、驚異が眼を視張つてゐるんだ!
夏ちかきころ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そうして
炎
(
も
)
えさかる自分の激情の為めにかなりおちつきを失つてゐるらしく思はれました。
編輯室より:(一九一五年五月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
今私の胸には、あの主人が凧を追ひかけて行つた時の二つの
炎
(
も
)
えた眼だけが烙印になつて残つてゐるのだ。私は、主人の肖像画の後を追ひかけてゐた。
鱗雲
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
マルリツトの位置は忽ちにネクラソフやチエルニシエフスキイによつて奪はれた。そして彼女は自由の為めの戦ひに一生を捧げやうと決心する程の、
炎
(
も
)
ゆるやうな熱心家になつた。
乞食の名誉
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
Aは、いまだに、「あれから、これへ」を
口吟
(
くちずさ
)
みながら、それでも懸命に
槌
(
つち
)
を振りあげている。Bは、
炎
(
も
)
えあがる
焔
(
ほのお
)
の傍らで時
外
(
はず
)
れにも弁当を喰っている。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
そして其処の大きな
卓子
(
テーブル
)
の前の椅子に腰をかけました。瞬間に私は校長からも叱かられるのだと思ひました。此度は私はもう泣きませんでした。私の小さな体は激昂に
炎
(
も
)
えてゐました。
嘘言と云ふことに就いての追想
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
孤りの気分は、別段に害はれもしなかつた。彼は、自分の心が何処までも健康らしく、厳しい希望だけに
炎
(
も
)
えてゐることを一層はつきり自覚するのが愉快だつた。
山を越えて
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
仕事に対する情熱は、形ちなく見えすいてゐる垣の彼方で、徒らに激しく
炎
(
も
)
えてゐるばかりだつた。
昔の歌留多
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
天井の隅に、小さい四角な
陽
(
ひかり
)
がひとつ、
炎
(
も
)
ゆるやうにキラキラと光つてゐた。
湯槽
(
ゆぶね
)
の上の明りとりから射し込んだ陽が、反対の壁にかゝつてゐる鏡に当つて、其処に反映してゐるのだつた。
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そんな日を送つて私は、無一物になつたので、今度こそは落着いて自分の仕事に取りかゝらうといふ花々しい想ひに
炎
(
も
)
えて一先づ村の住居に引き帰したところへ、役場から改まつた通知だつた。
熱い風
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
あの永遠の信念に満ちたかのやうな憧れに
炎
(
も
)
ゆる校長の姿は、一切の迷妄と不合理と激情と恐怖と、そして人間的禍悪よりの離脱のために——といふプレトン先生の言葉を叫んでゐるかのやうだ。
山彦の街
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
“炎”の解説
炎(ほのお)は、火の中でも、気体が燃焼するときに見られる穂のような、光と熱を発している部分を指す。語源は火の穂(ほのほ)から由来していると言われている。
(出典:Wikipedia)
炎
常用漢字
中学
部首:⽕
8画
“炎”を含む語句
陽炎
火炎
炎焔
炎上
章太炎
炎々
余炎
炎熱
炎暑
焔炎
炎火
炎天
肺炎
肋膜炎
脳膜炎
盲腸炎
炎燄
餘炎
肥厚性鼻炎
炎日
...