“炎々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんえん81.0%
えん/\19.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と同時に彼の執拗な復讐感は、何時の間にか、野火のように、限りなき憎悪の風に送られて、炎々えんえんと燃え拡がって行ったのだ。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
杉の木立ちのあいだに、ものものしい竹の矢来やらいを結びめぐらし、出口入口には炎々えんえんたる炬火かがりびが夜空の星をこがしています。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
日の暮れ方の薄暗がりに小広い処で、ポッポと焚く火は沼のへりゆえ、空へうつりまして炎々えん/\としますから、又作は気をみ巡査は来やしないかと思っていますと
己はたゞ目のくるめくようなフット、ライトが、自分の前に炎々えん/\と燃えて居て、其の向うに、満場の見物人の無数の顔が、非常に微かに、かすみのかゝった空の如くちらちらしたのを覚えて居る。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)