“えん/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
炎々36.4%
蜿蜒18.2%
㷔々9.1%
炎焔9.1%
焔々9.1%
燄々9.1%
蜿々9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
己はたゞ目のくるめくようなフット、ライトが、自分の前に炎々えん/\と燃えて居て、其の向うに、満場の見物人の無数の顔が、非常に微かに、かすみのかゝった空の如くちらちらしたのを覚えて居る。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
牡鹿山の城は、うしろに重畳ちょうじょうたる山岳地帯を控え、城のある部分だけが平原に向って半島の如く突出していたので、敵はその半島のすそをU字型に包囲して、蜿蜒えん/\たる陣形を作っていた。
れぞ虎髯大尉こぜんたいゐ大勳功だいくんこう! いましも死物狂しにものぐるひに、本艦ほんかん目掛めがけて、突貫とつくわんきた一船いつせん彈藥庫だんやくこ命中めいちうして、船中せんちう船外せんぐわい猛火まうくわ㷔々えん/\かぢ微塵みじんくだけて、ふね獨樂こまごとまわる、海底かいていよりは海底戰鬪艇かいていせんとうてい
洞中どうちう秘密造船所ひみつざうせんじよなかでは、海底戰鬪艇かいていせんとうていほうでも、わたくしほうでも、鎔鐵爐ようてつろ冶金爐等やきんろとうから㷔々えん/\熱火ねつくわひかり魔神まじん紅舌したのごとく、たがひうちおろす大鐵槌だいてつついひゞきは、寂寞じやくばくたる洞窟どうくつ鳴動めいどうして
つてからは、城の内外の持口々々もちくち/″\篝火かゞりびつらねて、炎焔えん/\てんこがすのであつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
の藁小屋へ火をかけましたが、藁の事ゆえ忽ち燃え移り、屋根裏へ抜けて母屋へ移り、焔々えん/\とばかりに燃出もえだした時には、火事馴れぬお百姓衆の事ゆえ、大きに驚きまして
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
木のえだをあつめ火をたきてあたりをりしに、其所よりすこしはなれてべつに火燄々えん/\もえあがりければ、児曹こどもら大におそれ皆々四方に逃散にげちりけり。
南は宇治川の長堤曲浦きょくほ蜿々えん/\と麓をめぐっておりまして、大坂よりの着船に便よろしく、北は洛外に打ちつゞき在家が幾重にも引き廻して商賈しょうこが繁昌いたしており
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)