“えんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エンエン
語句割合
蜿蜒41.4%
奄々13.0%
焔々11.8%
炎々10.1%
蜒々9.5%
蜿々4.1%
蜿蜓1.2%
延々1.2%
園苑0.6%
奄奄0.6%
悁々0.6%
掩々0.6%
湲々0.6%
烟々0.6%
焔炎0.6%
焔煙0.6%
煙姻0.6%
煙焔0.6%
燄々0.6%
蜓々0.6%
蜿蜿0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宵に出て、夜半よなか頃、この蜿蜒えんえんたる輜重しちょうの行軍は、褒州の難所へかかった。すると谷間から、一軍の蜀兵が、突貫して来た。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある会があって、お濠端の前の建物のバルコンから、その下に蜿蜒えんえんと進行する灯の行列を眺め「勝たずば生きてかえらじと」の節の楽隊をきいた。
と、その時まで、塚の真下に、小岩を抱いて、奄々えんえんとした気息で、伏し沈んでいた典膳が、最後の生命力ちからを揮い、胸を反らせ、腰をうねらせ、のけ反った。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
泰助は医師に逢いて、予後の療治を頼み聞え、病室に行きて見るに、この不幸なる病人は気息奄々えんえんとして死したるごとく、泰助の来れるをも知らざりけるが、時々
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その怪光は、木立の幹まで真青に染めて、時間にして四、五秒間は焔々えんえんと燃えあがっていたであろうか。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヨブは九章の如き深き懐疑の黒煙に閉じ込められたるが故に、遂に信仰の火これに移りて霊界の煌火こうか焔々えんえんとして昇り、大光明は彼に臨みまた彼を通して世に臨んだのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
当時とうじわたくしどものむねにはまさ修羅しゅら業火ごうか炎々えんえんえてりました。
彼は灼鉄しゃくてつ炎々えんえんと立ちのぼる坩堝るつぼの中に身を投じたように感じた——が、そのあとは、意識を失ってしまった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
常陸ひたちの磯浜の海岸から、大利根の河口まで、蜒々えんえんとして連なる平沙二十里、これだけ続いている沙浜はどこにもなく、これだけ美しい弧線を描いている沙浜もほかには見出せない。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうして、この蜒々えんえんとした武装の行列は、三つの山を昇り、四つの谷に降り、野を越え、森をつききって行ったその日の中に、二人の奴国の偵察兵を捕えて首斬くびきった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そこに立っていると、またも本庭の余水の蜿々えんえんたる入江につづく「舟入の茶屋」を見ないわけにはゆきません。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
此防火線は尾根通を蜿々えんえんと続いて、鷲ヶ峰から鎌ヶ池の附近を通り、千八百七米の三角点ある隆起までも達している。
美ヶ原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それからずっと川の行先を眺めて見ますと遙かの雲の中に隠れてどこへ流れ込んだか分らなくなって居るが、その蜿蜓えんえんと廻り廻って上から下までずっと流れ去り流れきたる有様はちょうど一流の旗が大地に引かれて居るような有様に見えたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
よく見る勇気もなかったが起伏蜿蜓えんえん突兀とっこつとして四端あたりに聳えて居る群雪峰は互いに相映じて宇宙の真美を現わし、その東南に泰然として安坐せるごとく聳えて居る高雪峰はこれぞドーラギリーであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
毎日延々えんえんと心にもなくつづいたようなわけだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいはまた名高い給孤独長者きゅうこどくちょうじゃ祇園精舎ぎおんしょうじゃを造るために祇陀童子ぎだどうじ園苑えんえんを買った時には黄金おうごんを地にいたと言うことだけである。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
工場で働いたものらは、農業に従事することはもう出来ない歎きが、この村のどこの隅にもあって、久左衛門の次男の二十三歳になる優秀工なども、農事を手伝おうと努めているとはいえ、力はあり余っているに拘らず、気息奄奄えんえんと動いている。
気息掩々えんえんたる三着の水浴着マイヨオが、オピタル・ド・ラ・ペエに運び込まれ、一様に39度の一夜を明かしたその翌朝、一行は種々なる人士の光栄ある訪問を受けた。
いままで湲々えんえんと流れた小河の水が一瀉いっしゃして海にいるやいなや怒濤どとう澎湃ほうはいとして岩をくだき石をひるがえした。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
野火のけむりであろう、遠く白いものが烟々えんえんとして蒼涯そうがいを区切っている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この焔炎えんえんは、ここからは正面に見えたが、甲州全軍の備えから見れば後方にあった。甲軍のおどろきはいうまでもない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また月見橋つきみばしのほとりに立ち、はるかに東京の天を望めば、天、泥土でいどの色を帯び、焔煙えんえんの四方に飛騰ひとうする見る。
さしもの大伽藍だいがらんも焼けて、煙姻えんえん高く昇るのを望見するや、西軍は一挙に進撃した。
応仁の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
凄じい音と共に、一なだれの煙焔えんえん半空なかぞらほとばしつたと思ふ間もなく、「ろおれんぞ」の姿ははたと見えずなつて、跡には唯火の柱が、珊瑚の如くそば立つたばかりでござる。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さらに想像をさかさまにして、この星雲が熱を失って収縮し、収縮すると共に回転し、回転しながらに外部の一片いっぺんを振りちぎりつつ進行するさまを思うと、海陸空気歴然と整えるわが地球の昔は、すべてこれ燄々えんえんたる一塊いっかいの瓦斯に過ぎないという結論になる。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
太郎丸の屋敷の大門から、蜓々えんえんと現われた一大行列! 抜き身の槍、抜き身の薙刀なぎなた、異国製らしい大砲二門、火縄を点じた数百挺の鉄砲、いつの間に集めて置いたのだろう? 人数にして三四百人! いずれも徒歩
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
老夫に変相、そのたにでて蜿蜿えんえんと平原を流るゝ時は竜蛇りゅうだの如き相貌そうぼうとなり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)