“えんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エンエン
語句割合
蜿蜒41.0%
奄々13.0%
焔々11.8%
炎々10.6%
蜒々9.3%
蜿々4.3%
延々1.2%
蜿蜓1.2%
園苑0.6%
奄奄0.6%
(他:10)6.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この山脈が湖面に浮んで居る有様はちょうど大龍が蜿蜒えんえんとして碧空にわだかまるというような有様で実に素晴らしい。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
人物と山と同じくらいな大きさにえがかれている間を、一筋の金泥きんでい蜿蜒えんえんふちまで這上はいあがる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真夏の入道雲の下には、蟻地獄ありじごくのような囚人の群れが、腰鎖こしぐさりのまま、気息奄々えんえんと働いていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
葉いちめんに灰色や黒の斑点が出来て艶がなくなり、ぐったりと葉を垂れて、いわば、気息奄々えんえんというていである。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その晩、曹操は、ふしぎな夢を見た。焔々えんえんたる日輪が雲を捲いて、空中から大江の波間に落ちたとみて眼がさめたのである。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、そのなかから、焔々えんえんと燃えつつながれだしてきたのは、半町はんちょうもつづくまっ赤なほのおの行列。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当時とうじわたくしどものむねにはまさ修羅しゅら業火ごうか炎々えんえんえてりました。
丘の起伏には炎々えんえんたる松明たいまつが空を焦がして、馬が、人が、小さく、列をなして影絵のように避難して行く。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
蜒々えんえん山を越し谷を渡り、長蛇のように延びているのは、新築工事の城壁であったが、工なかばにして中絶したものである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
門のそとに、コンクリート塀の高さと蜒々えんえんたる長さとを際立たせて、田舎の小駅にでもありそうなベンチがある。
乳房 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
此防火線は尾根通を蜿々えんえんと続いて、鷲ヶ峰から鎌ヶ池の附近を通り、千八百七米の三角点ある隆起までも達している。
美ヶ原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そこに立っていると、またも本庭の余水の蜿々えんえんたる入江につづく「舟入の茶屋」を見ないわけにはゆきません。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
湖の左手には、まゆずみをグッとひきのばしたように、蘇提そてい延々えんえんと続いていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
毎日延々えんえんと心にもなくつづいたようなわけだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間には蜿蜓えんえんたる川が幾筋か流れて居りましてそのよって遠く来る所を知らずまたその去る所をも見ることが出来ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
よく見る勇気もなかったが起伏蜿蜓えんえん突兀とっこつとして四端あたりに聳えて居る群雪峰は互いに相映じて宇宙の真美を現わし、その東南に泰然として安坐せるごとく聳えて居る高雪峰はこれぞドーラギリーであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
あるいはまた名高い給孤独長者きゅうこどくちょうじゃ祇園精舎ぎおんしょうじゃを造るために祇陀童子ぎだどうじ園苑えんえんを買った時には黄金おうごんを地にいたと言うことだけである。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
工場で働いたものらは、農業に従事することはもう出来ない歎きが、この村のどこの隅にもあって、久左衛門の次男の二十三歳になる優秀工なども、農事を手伝おうと努めているとはいえ、力はあり余っているに拘らず、気息奄奄えんえんと動いている。
気息掩々えんえんたる三着の水浴着マイヨオが、オピタル・ド・ラ・ペエに運び込まれ、一様に39度の一夜を明かしたその翌朝、一行は種々なる人士の光栄ある訪問を受けた。
いままで湲々えんえんと流れた小河の水が一瀉いっしゃして海にいるやいなや怒濤どとう澎湃ほうはいとして岩をくだき石をひるがえした。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
野火のけむりであろう、遠く白いものが烟々えんえんとして蒼涯そうがいを区切っている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この焔炎えんえんは、ここからは正面に見えたが、甲州全軍の備えから見れば後方にあった。甲軍のおどろきはいうまでもない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また月見橋つきみばしのほとりに立ち、はるかに東京の天を望めば、天、泥土でいどの色を帯び、焔煙えんえんの四方に飛騰ひとうする見る。
さしもの大伽藍だいがらんも焼けて、煙姻えんえん高く昇るのを望見するや、西軍は一挙に進撃した。
応仁の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
凄じい音と共に、一なだれの煙焔えんえん半空なかぞらほとばしつたと思ふ間もなく、「ろおれんぞ」の姿ははたと見えずなつて、跡には唯火の柱が、珊瑚の如くそば立つたばかりでござる。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さらに想像をさかさまにして、この星雲が熱を失って収縮し、収縮すると共に回転し、回転しながらに外部の一片いっぺんを振りちぎりつつ進行するさまを思うと、海陸空気歴然と整えるわが地球の昔は、すべてこれ燄々えんえんたる一塊いっかいの瓦斯に過ぎないという結論になる。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
老夫に変相、そのたにでて蜿蜿えんえんと平原を流るゝ時は竜蛇りゅうだの如き相貌そうぼうとなり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)