“狭斜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうしゃ80.0%
けふしや20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃の狭斜きょうしゃの街たる妓院(遊女、白拍子のおき屋)のあるじにさえ、禅尼と呼ばれる者がいた。義経の愛人、白拍子の静の母は磯ノ禅尼であった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし津村の気持では、自分の母が狭斜きょうしゃちまたに生い立った人であると云う事実は、ただなつかしさを増すばかりで別に不名誉ふめいよとも不愉快ふゆかいとも感じなかった。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ひとり立つてじつと海を眺めてゐる若い美しい女——それは一目で狭斜けふしやの人であるといふことがわかつたが、さつきBが夫妻を見た時には
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
狭斜けふしやいうあるを疑はれしとて、「家有縞衣待吾返いへにかういありわがかへるをまつ孤衾如水已三年こきんみづのごとくすでにさんねん」など云へる詩を作りしは、いささか眉に唾すべきものなれど、竹田ちくでんが同じく長崎より
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)