“きょうしゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
驕奢37.5%
狭斜25.0%
怯者12.5%
香車6.3%
侠者4.2%
強者4.2%
驕者4.2%
競射2.1%
狂者2.1%
狭邪2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
驕奢きょうしゃに近づかない先から、驕奢の絶頂に達しておどり狂う人の、一転化ののちを想像して、こわくてたまらないのであります。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし津村の気持では、自分の母が狭斜きょうしゃちまたに生い立った人であると云う事実は、ただなつかしさを増すばかりで別に不名誉ふめいよとも不愉快ふゆかいとも感じなかった。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
こうなると、つねの怯者きょうしゃ勇士ゆうしになるものだ。伊部熊蔵いのべくまぞうはカッといかって、中断ちゅうだんされたなわのはしから千ぼんびさしくさりにすがって、ダッ——と源氏げんじへ飛びこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、伝右衛門が、戦場に出るときは、常にかぶと前立まえだてにも、その旗さし物にも、将棋の駒の「香車きょうしゃ」を印としているほどな勇士であることを、誰も知っているからだった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一人いちにん強者きょうしゃただ出よ秋の風
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
あながち、修行を積んだ者が勝ち、驕者きょうしゃは負けるとも限りません。——そこに人間力を超えたものも加わるのが、勝負の運、また、兵家の常ですから
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それには、りっぱに、蔦之助つたのすけあてたあとがある。かれのえんはそそがれた。そして、競射きょうしゃ不当ふとう勝点しょうてんをうばっていた徳川家とくがわけは、一ぱい地にまみれてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この遠矢とおやくらべ、つがえたよりほかに代矢かえやのない、一ぽん試合じあいのだいじな競射きょうしゃである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当時妾の感情をらせる一片いっぺんぶんあり、もとより狂者きょうしゃの言に近けれども、当時妾が国権主義に心酔し、忠君愛国ちょう事に熱中したりしその有様を知るに足るものあれば、叙事の順序として
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
所謂いわゆる狭邪きょうしゃの地でどの家にも歌女かじょを養っている。魚家もその倡家しょうかの一つである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)