“いかもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
贋物70.6%
偽物11.8%
厳物5.9%
強者5.9%
怒物5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「はてな。あれやあほんとの古渡こわたりで、新渡の贋物いかものを売ったわけでもないが。……その梅掌軒ていうなあ汁粉屋しるこやか何かですか」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へい、鍍金めっきは鍍金、ガラハギはガラハギ、品物に品が備わりませぬで、一目見てちゃんと知れる。どこへ出しても偽物いかものでございますが、手前商いまする銀流しを少々、」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
義仲この日の装立いでたちは、赤地の錦の直垂に唐綾縅の鎧、厳物いかもの作りの太刀、鍬形打った兜の緒をしめ、背に二十四さした石打の矢がうちつづく戦闘でまだ少し残っていた。
兄弟中での強者いかものらしい風貌である。柳斎に大杯をさし向けて
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太刀は怒物いかもの作り、それに重籐しげとうの弓、大中黒おおなかぐろの矢、替え馬にのった家来一人、下郎にも楯を持たせた。わが家にも火を放って焼き払わせると、競は三井寺へ夜道を疾駆した。