偽物いかもの)” の例文
旧字:僞物
八時をすぐれば街はいよいよ熱閙のちまたとなりて、田舎者を待って偽物いかものを売る古道具商ふるどうぐや、女客を招いて恋を占う売卜者ばいぼくしゃ小児こどもを呼ぶ金魚商きんぎょや、労働者を迎うる氷水商こおりみずや
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「へい、鍍金めっきは鍍金、ガラハギはガラハギ、品物に品が備わりませぬで、一目見てちゃんと知れる。どこへ出しても偽物いかものでございますが、手前商いまする銀流しを少々、」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)