香車きょうしゃ)” の例文
それからまたまた、香車きょうしゃを二十円で買ったりしました。蟹江は現金がどしどし入るものですから、にこにこして持駒を手渡ししました。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
なぜならば、伝右衛門が、戦場に出るときは、常にかぶと前立まえだてにも、その旗さし物にも、将棋の駒の「香車きょうしゃ」を印としているほどな勇士であることを、誰も知っているからだった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はきん香車きょうしゃを握ったこぶしを頭の上へ伸ばして、時々思い切ったあくびをした。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)