“香花”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうげ48.8%
かうげ16.3%
こうはな14.0%
かうくわ4.7%
かうはな4.7%
つねにいのる4.7%
こうか2.3%
こうばな2.3%
はな2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その前には、竹の花立があったけれど、誰も香花こうげ手向たむけた様子は見えず、腐りかけた雨水がいっぱいに溜っているだけです。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
庭内ていないの老菩提樹には神聖のとして香花かうげを捧げ、又日本の奉納手拭の如き小切こぎれを枝に結び附けて冥福を祈る信者が断えない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
和尚「無縁墓の掃除をして香花こうはな手向たむけるのは大功徳だいくどくなもので、これを行ったら宜かろう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふたゝび荊棘けいきよくえだとり香花かうくわ神前しんぜんさしはさみくうず。次にあつま各童わらべども手に木刀をとりみち隊閙たいだうしすべて有婚こんれいして无子こなきをんな木刀をもつ遍身へんしん打之これをうち口に荷花蘭蜜こばらみとなふ。
平常つねは道理がよく了解わかる人では無いか、氣を靜めて考へ直して呉れ、植村の事は今更取かへされぬ事であるから、跡でも懇にともらつて遣れば、お前が手づから香花かうはなでも手向れば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
百樹もゝき案に、くだんの風土記にふたゝ荊棘けいきよくえだを取り香花つねにいのる神前にさしはさむといひしは、餅花もちばな神棚かみたなくうずる事を聞て粥杖かゆつゑの事と混錯こんさくして記したるなるべし。しかりとすれば餅花もちはなも古き祝事しゆくじなり。
糸染川いとぞめがわ神仙川しんせんがわ合流ごうりゅうするところで、熊蔵の一隊と一つになり、聖地せいちのごとき百合ゆり香花こうかみあらし、もうもうとしたちりをあげて、れいのつたのかけはしまで殺到さっとうした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は先祖代々の墓に香花こうばなや水をたむけて、苔の蒸した石にむかって甥を殺す余儀ない事情を訴えて、その足ですぐに番町へ廻って来たのである。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
型の通りお墓の前に香花はなを捧げ、本堂に立寄られるまでは無事でございましたが、今度は本堂裏のお位牌堂にお参りしたいと仰しゃるのでございます。
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)