香花こうはな)” の例文
和尚「無縁墓の掃除をして香花こうはな手向たむけるのは大功徳だいくどくなもので、これを行ったら宜かろう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
香花こうはな茶の湯から琴三味線の遊芸まで、みな一と通りは心得ていますし、容貌きりょうはよし、生まれ付きおとなしく、まず申し分はないのでございますが、右の一件でどうにもなりません。
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ちょうど四日が命日だというので、毎月四日の日には自分で香花こうはな手向たむけ、仏壇に向って位牌は無いけれども、心のうち回向えこうして居る。九月四日はう一周忌の命日でございますゆえ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それよりは友さんも親族みよりのない人なら其の人の為には香花こうはなでも手向たむけた方が宜しい、またおっかさんもお前さんを女郎に売るとか旦那を取れとか、お前さんの厭な事をしろと云う訳はないから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
冬のしのぎは斯う/\とすっぱり教えて、さて私のいえには身寄もなしばゝあよぼくれて居るから、私が命のないのちはお前さん私を親と思って香花こうはな手向たむけ、此処ここな家の絶えぬようにしてお呉んなさらんか
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
来てみると香花こうはなは始終絶えませぬから其処そこらが線香くそうございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
香花こうはなはたえずに上げてあります。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)