“殺到”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さっとう81.8%
さつたう18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
簡単ならざるを得ぬ手紙の文言(なぜといえば、おびただしい要求がこの成功者、この信頼に値する者のもとへ、殺到さっとうしたからである)
薄暗い神殿しんでんの奥にひざまずいた時の冷やかな石の感触かんしょくや、そうした生々しい感覚の記憶の群が忘却ぼうきゃくふちから一時に蘇って、殺到さっとうして来た。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
其時戦死した仏蘭西の男の兵隊が、——女の兵隊の御亭主ごていしゆ達の幽霊が、霧のやうに殺到さつたうして独逸ドイツの兵隊をひ散らしてしまふ、と云つた筋の話もある。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
土倉どさう弓箭きゆうせんは満ち、山沢さんたくに健児は待つ。然れども、その日を見ず、いま、事あらはれて、鎌倉沙汰の軍士、検非違けびゐのため、この地に殺到さつたうあるべし、と聞ゆ。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)