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驕奢
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きょうしゃ
ふりがな文庫
“
驕奢
(
きょうしゃ
)” の例文
かつはまた執権北条の底ぬけな
驕奢
(
きょうしゃ
)
、賭け犬ごのみ、田楽狂い、日夜の遊興沙汰など、何一つ、民の困苦をかえりみはせぬ武家の幕府よ。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
驕奢
(
きょうしゃ
)
に近づかない先から、驕奢の絶頂に達して
躍
(
おど
)
り狂う人の、一転化の
後
(
のち
)
を想像して、
怖
(
こわ
)
くてたまらないのであります。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
応仁の乱の責任者として、古来最も指弾されて居るのは、将軍義政で、
秕政
(
ひせい
)
と
驕奢
(
きょうしゃ
)
が、その起因をなしたと云われる。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その食事は彼らオランダ人に、この強大な君主の荘厳と
驕奢
(
きょうしゃ
)
とにふさわしからぬほどの粗食とも思われたという。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
農が
十重二十重
(
とえはたえ
)
の負担をしなければならない、さむらいという遊民を食わせて、これに傲慢と
驕奢
(
きょうしゃ
)
を提供する役廻りが、農民の上に負わされて来たという次第です
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
富家
(
ふか
)
にありてはただ無知
盲昧
(
もうまい
)
の
婢僕
(
ひぼく
)
に接し、
驕奢
(
きょうしゃ
)
傲慢
(
ごうまん
)
の
風
(
ふう
)
に
慣
(
なら
)
い、貧家にありては
頑童
(
がんどう
)
黠児
(
かつじ
)
に交り、
拙劣
(
せつれつ
)
汚行
(
おこう
)
を学び、終日なすところ、ことごとく有害無益のことのみ。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
此の倫子の
羽翼
(
はがい
)
の蔭に人となったことは、如何ばかり右衛門をして幸福ならしめたか知れないが、右衛門の天資が
勝
(
すぐ
)
れていなければ、中々豪華
驕奢
(
きょうしゃ
)
の花の如く
錦
(
にしき
)
の如く
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
然りと
雖
(
いえど
)
も相互に於ける身分の貴賤、貧富の隔壁を超越仕り真に朋友としての交誼を親密ならしめ、しかも起居の礼を失わず談話の節を
紊
(
みだ
)
さず、質素を旨とし
驕奢
(
きょうしゃ
)
を排し
不審庵
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
だから、秀吉もやはり子孫は長く続かないのではないでしょうか。いったい
驕奢
(
きょうしゃ
)
をほしいままにして治めた世というものは、むかしから長つづきしたためしがありません。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ゆえに封建時代の農工商は自家の生活を保たんがために労役するにあらず。他人の
驕奢
(
きょうしゃ
)
に資せんがために労役するなり。すなわち彼らは生活せんがために労役するにあらず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
そうなってからでもそれで生計を立てたのではなく月々
道修町
(
どしょうまち
)
の本家から仕送る
金子
(
きんす
)
の方が
比較
(
ひかく
)
にならぬほど多額だったのであるが、彼女の
驕奢
(
きょうしゃ
)
と
贅沢
(
ぜいたく
)
とはそれでも支えきれなかった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
万一の場合を
慮
(
おもんぱか
)
りてあるいは
貯蓄
(
ちょちく
)
するなり、あるいは新事業に手を出すことを
慎
(
つつし
)
むなり、あるいは繁昌に
乗
(
じょう
)
じて
驕奢
(
きょうしゃ
)
を極むることを
矯
(
た
)
めたりすれば、不幸にして利あらぬ事ありとするも
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
余が大臣の一行に
随
(
したが
)
いて、ペエテルブルクに在りし間に余を
囲繞
(
いにょう
)
せしは、
巴里
(
パリ
)
絶頂の
驕奢
(
きょうしゃ
)
を、氷雪のうちに移したる王城の
粧飾
(
そうしょく
)
、ことさらに
黄蝋
(
おうろう
)
の
燭
(
しょく
)
を幾つともなく
点
(
とも
)
したるに、幾星の勲章
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
房廓は昼夜数百の電燈を点じて、清気機は常に新鮮なる空気を供給す。房中の粧飾、衣服の
驕奢
(
きょうしゃ
)
、楼に依り、房に依り、人に依りて各その好尚を異にす。濃艶なる者は金銀珠玉、
鳳凰
(
ほうおう
)
舞ひ
孔雀
(
くじゃく
)
鳴く。
四百年後の東京
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鮮麗とも、
絢爛
(
けんらん
)
とも、
崇美
(
すうび
)
とも、
驕奢
(
きょうしゃ
)
とも、
譬
(
たと
)
うるに言葉も絶えた。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
しかし一帯の趣味は葉子の喜ぶようなものではなかった。
塵
(
ちり
)
一つさえないほど、貧しく見える
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な趣味か、どこにでも金銀がそのまま捨ててあるような
驕奢
(
きょうしゃ
)
な趣味でなければ満足ができなかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
驕奢
(
きょうしゃ
)
のかぎりをつくして江戸中の
取沙汰
(
とりざた
)
になった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
いかに
驕奢
(
きょうしゃ
)
を事とするも我において損することはあらざるなり。玉杯を作るも可なり。
象箸
(
ぞうちょ
)
を作るも可なり。銀橋はもって池水に架すべく、白砂糖はもって仮山の白雪を装うべし。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
僧侶の
驕奢
(
きょうしゃ
)
淫逸
(
いんいつ
)
乱行
懶惰
(
らんだ
)
なること、罪人の多く出ること、田地境界訴訟の多きこと等は、第三者の声を待つまでもなく、仏徒自身ですら心あるものはそれを認めるほどの過去の世相であったのだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
驕
漢検1級
部首:⾺
22画
奢
漢検1級
部首:⼤
12画
“驕奢”で始まる語句
驕奢品