“狭苦”のいろいろな読み方と例文
旧字:狹苦
読み方割合
せまくる86.7%
せまぐる13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顔は下膨しもぶくれ瓜実形うりざねがたで、豊かに落ちつきを見せているに引きえて、ひたい狭苦せまくるしくも、こせついて、いわゆる富士額ふじびたい俗臭ぞくしゅうを帯びている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人ひとりむすめは、狭苦せまくるしい自動車じどうしゃうちで、きゃくにもまれて、切符きっぷをはさむあいだも、花屋はなやみせさきにあった、水草みずくさ黄色きいろはなこころおもかべていました。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんなにみんな大きくなって、めいめい一部屋ひとへやずつを要求するほど一人前いちにんまえに近い心持ちをいだくようになってみると、何かにつけて今の住居すまい狭苦せまぐるしかった。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薄暗く狭苦せまぐるしい自動車の箱の中に、ムッとする男の体臭丈けが、熱い風の様に感じられた。とうとうその時が来たのだ。巨大な蠍は真赤な鋏で、彼女をおさえつけてしまったのだ。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)