“せまくる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狭苦81.3%
狹苦18.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うしろ隅々すみ/″\についてゐる瓦斯ガス裸火はだかびの光は一ぱいにつまつてゐる見物人の頭にさへぎられて非常に暗く、狭苦せまくるしいので、さるのやうに人のつかまつてゐる前側まへがはの鉄棒から
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
保吉やすきちの海を知ったのは五歳か六歳の頃である。もっとも海とは云うものの、万里ばんりの大洋を知ったのではない。ただ大森おおもりの海岸に狭苦せまくるしい東京湾とうきょうわんを知ったのである。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
宗助そうすけ玄關げんくわんから下駄げたげてて、すぐにはりた。えんさき便所べんじよまがつてしてゐるので、いとゞせま崖下がけしたが、うらける半間はんげんほどところ猶更なほさら狹苦せまくるしくなつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
狹苦せまくるしい掘立小屋ほつたてごやかれ當初はじめおもんだほどかれためさいはひところではなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)