“保吉”の読み方と例文
読み方割合
やすきち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
保吉やすきちはこのタウンゼンド氏と同じ避暑地ひしょちに住んでいたから、学校の往復にも同じ汽車に乗った。汽車はかれこれ三十分ばかりかかる。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ある冬の日の暮、保吉やすきち薄汚うすぎたないレストランの二階に脂臭あぶらくさい焼パンをかじっていた。彼のテエブルの前にあるのは亀裂ひびの入った白壁しらかべだった。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
去年の春の、——と云ってもまだ風の寒い、月のえたよるの九時ごろ、保吉やすきちは三人の友だちと、魚河岸うおがしの往来を歩いていた。
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)