“飛騰”の読み方と例文
読み方割合
ひとう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
途上、神明町しんめいちやう狭斜けふしやを過ぐれば、人家の倒壊せるもの数軒を数ふ。また月見橋つきみばしのほとりに立ち、はるかに東京の天を望めば、天、泥土でいどの色を帯び、焔煙えんえんの四方に飛騰ひとうする見る。
誠は指頭しとうよりほとばしって、とが毛穎もうえいたんに紙を焼く熱気あるがごとき心地にて句をつづる。白紙が人格と化して、淋漓りんりとして飛騰ひとうする文章があるとすれば道也の文章はまさにこれである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)