蜿蜒えん/\)” の例文
水流をわたるのまされるに如かず、され共渉水亦困難こんなんにして水中石礫せきれき累々るゐ/\之をめば滑落せざることほとんどまれなり、衆皆石間せきかんあしき入れてあゆむ、河は山角を沿ふてはなはだしく蜿蜒えん/\屈曲くつきよく
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
牡鹿山の城は、うしろに重畳ちょうじょうたる山岳地帯を控え、城のある部分だけが平原に向って半島の如く突出していたので、敵はその半島のすそをU字型に包囲して、蜿蜒えん/\たる陣形を作っていた。
四面の峻岳しゆんがく皆頭をあらはし、昨来わたきたれる利根の水流は蜿蜒えん/\として幽谷間に白練をけり、白練の尽くる所は乃ち大利根岳となり突兀とつとつ天にてうす、其壮絶ほとんど言語につくすべからず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
入り見ればせみがら同様人を見ず、され共古びたる箱類許多あまたあり、ふたひらき見れば皆空虚くうきよなり、人夫等曰く多分猟師小屋れうしこやならんと、はからず天井をあほぎ見れば蜿蜒えん/\として数尺の大蛇よこたはり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)