“ほのほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
48.7%
28.2%
火焔8.5%
6.0%
火炎4.3%
0.9%
火燄0.9%
炎焔0.9%
0.9%
白焔0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんでも、その大女は、あたりまへの人間のせいの三倍も高くて、その髪はふといなはのやうによれて目からはほのほき出してゐる。
虹猫の大女退治 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
かなり疲れて、ゆき子は、幾度も砂地に立ちどまつて溜息をついた。息苦しく、全身がかつかつとほのほを噴いてゐるやうだつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
灰のやうに白く乾き切つたそこらの土からいきれが火焔ほのほのやうに立ちのぼるのが、ちかちか痛いほど目に沁みて来る。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
たがひがしたほのほは、自然しぜん變色へんしよくしてくろくなつてゐた。二人ふたり生活せいくわつ斯樣かやうにしてくらなかしづんでゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
固より壊空ゑくうの理をたいして意欲の火炎ほのほを胸に揚げらるゝこともなく、涅槃ねはんの真をして執着の彩色いろに心を染まさるゝことも無ければ、堂塔を興し伽藍を立てんと望まれしにもあらざれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ほのほ来りて身にせまり、苦痛おのれむれども、心にいとうれへず、でんことを求むるこころ無し
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
私邸に起臥しては朝暮衣食いゝしの獄に繋がれ、禁庭に出入しては年月名利のあなに墜ち、小川の水の流るゝ如くに妄想の漣波さゞなみ絶ゆるひまなく、枯野の萱の燃ゆらむやうに煩悩の火燄ほのほ時あつて閃めき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
われ等は歸途にきたり。此時身邊なる熔岩の流に、爆然聲ありて、陷穽かんせいを生じ炎焔ほのほを吐くを見き。されどわれはをのゝふるふことなかりき。
各自かくじ直上ちよくじやう中心點ちうしんてんにしてそらゑがいた輪郭外りんくわくぐわいよこにそれからなゝめえるひろとほそら黄褐色くわうかつしよくきりごとほこりためたゞほのほかれたやうである。卯平うへい自分じぶん小屋こやすぼめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
秋の鶏馳ければへらへらと白焔ほのほ
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)