“火炎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほのほ35.7%
ほのお28.6%
かえん21.4%
ほむら14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
銀之助は独り炉辺ろばたに残つて燃え上る『ぼや』の火炎ほのほながめ乍ら、ういふ切ない境遇のなかにも屈せず倒れずにる気で居るお志保の心の若々しさを感じた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
枕許の畳を盗むように通る鼠の足音まで恐しくなって、首を持上げて見る度に、赤々と炉に燃上る楢の火炎ほのおは煤けた壁に映っておりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いまにも、火炎かえんを吹きだし、その熱で、窓ガラスをとかしてしまうのではないかと思われるばかりです。
夜光人間 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
出入るものに感応寺の塔の地曳の今日済みたり柱立式はしらだて昨日済みしと聞く度ごとに忌〻敷、嫉妬の火炎ほむら衝き上がりて、汝十兵衞恩知らずめ、良人うちの心の広いのをよい事にして付上り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)