“かえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カエン
語句割合
火焔78.2%
火燄7.7%
火炎3.8%
花園2.6%
家苑1.3%
1.3%
火煙1.3%
瓜園1.3%
1.3%
花苑1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は五日市町で一睡もしなかったし、海を隔てて向うにあかあかと燃える火焔かえんを夜どおし眺めたのだった。うかうかしてはいられない。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
火燄かえんも螺線になッて燃えるのだが凡眼では見えないのサ。風は年中螺旋に吹てるのサ。小サイ奴が颶風つむじだよ。だから颶風なぞは恐ろしいものではない。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
破甲弾よりは、ややひくめながら叩きつけるような大音響とともに、パーッとたちのぼる火炎かえんの幕!
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
謙作は呼苦いきぐるしい眠りから覚めた。それは花園かえんの中を孔雀くじゃくか何かのようにして遊び狂うていた鳥のつばさが急にばらばらと落たような気もちであった。彼は二三度大きくいきをしてから眼を開けた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かの地方もご承知の通り黄匪の蹂躙じゅうりんにあって秩序は破壊され、財産は掠奪され、町に少女の影を見ず、家苑かえん小禽ことりすらかなくなってしまいました。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわてて、「それから、あの、若し御新造ごしんぞさまがおかえんなすって御膳ごぜん召上めしやがるとおッしゃッたら、 ...
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「峠に火煙かえんをあげなば、せっかく、落ちのびて来た曹操も、道に敵あることを覚り、ほかへ方角を変えて逃げ失せはいたすまいか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『彼は瓜園かえん老媼おうなまでひき出して売名の具にする』
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おかえんなさい。どうでした団子坂は」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
壁廓の背後には、薔薇ばらを絡ませた低い赤格子の塀があって、その後が幾何学的な構図で配置された、ル・ノートル式の花苑かえんになっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)