“はくえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白猿38.5%
白煙30.8%
柏筵15.4%
白焔7.7%
柏莚7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巻末に市川白猿はくえん牛島うしじまの隠宅にて成田屋と自筆の提灯を嵐雛助あらしひなすけつかはす処、これ人のよく知る逸話なるべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼は、灼鉄と硝煙しょうえんと閃光と鳴動めいどうとの中に包まれたまま、爆発するような歓喜かんきを感じた。その瞬間に、彼から、仏天青フォー・テンチンなる中国人の霊魂れいこんと性格とが、白煙はくえんのように飛び去った。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つまをおさいといひ、俳名を翠仙すゐせんといふ、夫婦ともに俳諧をよく文雅ぶんがこのめり。此柏筵はくえんが日記のやうに書残かきのこしたるおいたのしみといふ随筆ずゐひつあり。
仄暗い御堂の中に、白焔はくえんがゆらめき立ち昇って、それがそのまま永遠に凝結したような姿に接するとき、我々は沈黙する以外にないのだ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
しかし仄暗ほのぐらい金堂のうちに佇立して、白焔はくえんの燃え立ったまま結晶したようなあの時の面影おもかげはみられない。金堂の内部では何の手も加えられず、実にそっけなく諸仏のあいだに安置されてあった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
柏莚はくえんが老の楽に「くづ砂糖水草清し江戸だより」というような句があったと記憶している。作者の名を忘れたが、これも江戸座の句に「隅田川はる/″\来ぬれ瓜の皮」というのがあった。
砂糖 (新字新仮名) / 永井荷風(著)