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焚
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も
ふりがな文庫
“
焚
(
も
)” の例文
白糸の胸中は沸くがごとく、
焚
(
も
)
ゆるがごとく、万感の
心
(
むね
)
を
衝
(
つ
)
くに任せて、無念
已
(
や
)
む
方
(
かた
)
なき松の
下蔭
(
したかげ
)
に立ち尽くして、夜の
更
(
ふ
)
くるをも知らざりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
空を眺むる宮が目の
中
(
うち
)
には
焚
(
も
)
ゆらんやうに一種の表情力
充満
(
みちみ
)
ちて、物憂さの支へかねたる姿もわざとならず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二人の定紋を比翼につけた
枕
(
まくら
)
は意気地なく倒れている。燈心が
焚
(
も
)
え込んで、あるかなしかの
行燈
(
あんどう
)
の
火光
(
ひかり
)
は、「
春如海
(
はるうみのごとし
)
」と書いた額に映ッて、字形を夢のようにしている。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
姐
(
あね
)
さまのはいっている手箱も、書きものの手箱も、折角、かくして、ぽつぽつと溜めた本類も、みんな
焚
(
も
)
してしまわれたりしたが、そんなにしても、妹たちも好きだったので
旧聞日本橋:25 渡りきらぬ橋
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
貴婦人はこの
秋霽
(
しゆうせい
)
の
朗
(
ほがらか
)
に
濶
(
ひろ
)
くして心往くばかりなるに、夢など見るらん
面色
(
おももち
)
して
佇
(
たたず
)
めり。窓を争ひて
射入
(
さしい
)
る日影は
斜
(
ななめ
)
にその姿を照して、
襟留
(
えりどめ
)
なる真珠は
焚
(
も
)
ゆる如く輝きぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
然
(
さ
)
うかと
言
(
い
)
つて、
焚
(
も
)
えても
構
(
かま
)
ひませんと
言
(
い
)
はれた
義理
(
ぎり
)
ではない。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
実
(
げ
)
に彼は火の
如何
(
いか
)
に
焚
(
も
)
え、如何に
燬
(
や
)
くや、と
厳
(
おごそか
)
に
監
(
み
)
るが如く
眥
(
まなじり
)
を裂きて、その立てる処を一歩も移さず、風と烟と
焔
(
ほのほ
)
との
相雑
(
あひまじは
)
り、
相争
(
あひあらそ
)
ひ、
相勢
(
あひきほ
)
ひて、力の限を互に
奮
(
ふる
)
ふをば、
妙
(
いみじ
)
くも
為
(
し
)
たりとや
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
焚
漢検準1級
部首:⽕
12画
“焚”を含む語句
焚木
御飯焚
折焚
焚火
煮焚
飯焚
焚付
焚附
焚殺
焚死
焚焼
飯焚場
焚残
貪焚
焚書坑儒
飯焚男
焚料
焚物
焚口
焚落
...