“射入”の読み方と例文
読み方割合
さしい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貴婦人はこの秋霽しゆうせいほがらかひろくして心往くばかりなるに、夢など見るらん面色おももちしてたたずめり。窓を争ひて射入さしいる日影はななめにその姿を照して、襟留えりどめなる真珠はゆる如く輝きぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
山懐やまふところのところどころ、一帯に産出する蜜柑みかんの林に射入さしいあさひに、金色こんじきの露暖かなれど、岩の突出つきいでた海の上に臨んでは、みちの下をくぐって、崖の尾花を越す浪に、有明月の影の砕くる
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)