賈氏こし)” の例文
そこへ、楚々そそと、盧俊儀ろしゅんぎの妻の賈氏こしが、屏風びょうぶを巡ってあらわれた。李固りこや燕青と共に「——そんな遠出の旅は、思いとまっていただきたい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妻の賈氏こしもいそいそすすめ、李固も何かともてなすので、は自分の小心をじ、その晩はわれから機嫌を直してしんに就いた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
賈氏こしも燕青も、その人が見えなくなるまで手を振っている。しかし賈氏のひとみには、前日、先発した馬車を見送っていたときのようなまぶたの濡れはさらにない——。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)