“かご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.9%
駕籠39.2%
6.4%
3.3%
2.1%
過誤0.9%
加護0.8%
0.5%
輿0.3%
竹輿0.1%
花後0.1%
山駕0.1%
0.1%
0.1%
籃輿0.1%
肩輿0.1%
訛語0.1%
訶護0.1%
輿轎0.1%
駕寵0.1%
駕篭0.1%
駕輿0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(あさ)(買って来た魚のはいっているかごやら、角巻かくまき——津軽地方に於ける外出用の毛布——やらを上手かみての台所のほうに運びながら)
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もし駕籠かごかきの悪者に出逢ったら、庚申塚こうしんづかやぶかげに思うさま弄ばれた揚句、生命いのちあらばまた遠国えんごくへ売り飛ばされるにきまっている。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
峠路のかごに興じたり、雨の宿りをびしがったり、高原の道に馬をせがんだりして、いつか知らず故郷の土を踏んでしまったのである。
日本婦道記:桃の井戸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かごを取りいた連中は、サンドヰツチをした。すこしのあひだは静であつたが、思ひした様に与次郎が又広田先生に話しかけた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼女は兵の百拝を浴びると、まるで凱旋がいせんの女王かのような心理に酔い、そのかごを大勢に打ちかこまれつつ官邸の門へなだれ入った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古人は過誤かごせずと思い、また漢語で書いたものはみな正しいとすることは、ことに『万葉』から『古今』『後撰』へかけての百年間あまりが危険である。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そしてこのとおかみさまのあらたかな加護かごのある上は、もうおに退治たいじしたも同然どうぜんだと心強こころづよおもいました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
といってすすめ、そのうえ王成を当分ただで置くといった。王成は喜んで出かけていって、鶉を買えるだけ買ってかごに入れて帰って来た。主人は喜んでいった。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
(門の内を見る)お輿かごが来るようだ。お医者さまのお帰りなのだろう。(門のほうに行く)
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
三人仕立したて切棒きりぼう竹輿かご路次口ろじぐちすゑさせ自己おのれは夫に乘り方々とこゑかけさせながら本町へこそ到りけれ竹輿舁かごかきかねて心得ゐれば同町三丁目の藥種やくしゆ店小西屋長左衞門の前におろし戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
拂ひて長居は惡しと會釋ゑしやくをなして元益は店を立出たちいで竹輿かごに乘り首尾しゆびよく行しと舌をき我家を差て歸りけりあと見送みおくつて長左衞門思ひ掛けざる醫師のはなしに只管ひたすらあきれて言葉も出ず茫然ばうぜんとして望みを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
花下かかにある五萼片がくへん宿存しゅくそんして花後かごに残り、八へんないし多片の花弁かべんははじめうちかかえ込み、まもなく開き、かおりを放って花後に散落さんらくする。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
花の時の子房しぼうは緑色で、その上縁じょうえん狭小きょうしょうな五萼片がくへんがある。花後かご、この子房しぼうは成熟して果実となり、その上方の小孔しょうこうより黒色の種子が出る。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
持たせる荷物もないし、山駕かごを雇う気もない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんなら母さん其所そこにある、衣裳かごをとっておくれ」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
かつて預言者エレミヤはき無花果と腐った無花果と二かごを並べて、神の聖意にしたがう者をば佳き無花果、不信仰の者を腐った無花果にたとえたことがありますが(エレミヤ二四)
一週間ゐるつもりでやつて来たその四日目には、かれ等は籃輿かごを一挺頼んで、疲れたら代り代り乗るといふことにして、山の湖水のある方へと行つた。
父親 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
二挺の肩輿かごが表門を入ってきた。興哥はあの後か前かに興娘の妹の慶娘けいじょうがいるだろうと思って、うっとりとしてそれを見送っていた。と、後ろの肩輿の窓から小さな光るものが落ちた。
金鳳釵記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
従って巻十四の東歌だけでも、年代は相当の期間が含まれているものの如く、歌風は、大体訛語かごを交えた特有の歌調であるが、必ずしも同一歌調で統一せられたものではない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「山霊訶護かご」という題で、山姥やまんばが木に寄掛っていると、其処に鷲が来て、それに対して山姥が山の小動物をかくまっている態のものだが、これは父が苦しんで一所懸命やった彫刻だった。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
「ははアん。じゃアいま先へ行った輿轎かごは、やはりここの奉行だったのかい。……どうもそんなにおいがと、思ってけて来たんだが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、前後まえうしろの屋台の間に、市女いちめの姫の第五人目で、お珊が朗かな声を掛けた。背後うしろに二人、朱の台傘をひさしより高々と地摺じずれの黒髪にさしかけたのは、白丁扮装はくちょうでたち駕寵かご人足。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下僚は者共に命じ、小みどりを駕篭かごに押し込めて、奉行所へ連れて行ってしまった。
純情狸 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
この驕々たる三馬が一日思い立って日本橋から遠い四谷の端れまで駕輿かごをやったのは、狂歌師宿屋やどや飯盛めしもりとしての雅望と、否
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)