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轎
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かご
ふりがな文庫
“
轎
(
かご
)” の例文
持って、外へ出ると言えば八人
舁
(
かつ
)
ぎの
轎
(
かご
)
で出るくせに、エラクないだって、ふん、そんなことを言ってわたしを
瞞
(
だま
)
すつもりですかい
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
彼女は兵の百拝を浴びると、まるで
凱旋
(
がいせん
)
の女王かのような心理に酔い、その
轎
(
かご
)
を大勢に打ちかこまれつつ官邸の門へなだれ入った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
職業として
轎
(
かご
)
を
担
(
にな
)
うのでなく、また
賃銭
(
ちんせん
)
を要求するためでもない。したがって仮りに賃銭を払われてもこれを受くるをいさぎよしとせぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
榛軒は市川の家を訪ふに、先づ
轎
(
かご
)
に乗つて
堀田原
(
ほつたはら
)
に住んでゐる門人坂上玄丈の家に往き、そこより徒歩して市川の家に至つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
御機嫌よう! あなたが
今日
(
きょう
)
命拾いをされたのはこれから順調な幸福な生涯を送られるためであるようにと思いますよ。——おうい、
轎
(
かご
)
★
だ!
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
▼ もっと見る
夫人は驚いて
轎
(
かご
)
に乗ってゆき、
鑰
(
かぎ
)
を
啓
(
あ
)
けて亭に入った。小翠は
趨
(
はし
)
っていって迎えた。夫人は小翠の手を
捉
(
と
)
って涙を流し、
力
(
つと
)
めて前の
過
(
あやまち
)
を謝した。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
で、これと目星をつけた、美男の住んでいる家の玄関へ、今云ったような張り紙をし、それから
轎
(
かご
)
で迎いに来るのだ。
鴉片を喫む美少年
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
相談も
纏
(
まと
)
まったのか、その頃に我々の前には金銀や宝石を
鏤
(
ちりば
)
めて眼も
絢
(
あや
)
に飾った
燦爛
(
さんらん
)
たる
轎
(
かご
)
が現れてきたのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そして、
轎
(
かご
)
に乗ったまま階段を運ばれてきた、ひとりの年とった婦人に向って、ていねいにおじぎをしていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
聞いてみると、将軍と呼ばれている魔神の
犠牲
(
いけにえ
)
にせられようとしていた。そこで郭は、娘を慰めて待っていると、果して
轎
(
かご
)
に乗って
数多
(
あまた
)
の供を
伴
(
つ
)
れた男が来た。
怪譚小説の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
新婦は
轎
(
かご
)
に乗せられ、供の者
大勢
(
おおぜい
)
は馬上でその前後を囲んで
練
(
ね
)
り出して来る途中、一つの古い墓の前を通ると、俄かに
旋風
(
つむじかぜ
)
のような風が墓のあいだから吹き出して
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我々はカゴを一挺やとったが、これは簡単な
轎
(
かご
)
で二人がかつぎ、時々更代する男がもう一人ついている。別に丈夫そうな男が二人、袋や余分の衣類や、食料やその他全部を背中に負って行った。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
これにたいしても、にせものの病大臣は、
轎
(
かご
)
のままで、ただ轎の
垂巾
(
たれぎぬ
)
の内から、弱々しげに、手をふって、こたえて見せたのみである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして一つ一つの
轎
(
かご
)
に三、四人くらいずつも乗り込むと、そのまた一つ一つの轎に付いている色の黒い奴隷頭のような人物が手を挙げて合図をする。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
榛軒は流行医で、四枚肩の
轎
(
かご
)
を飛ばして病家を歴訪した。其轎が当時の
流行歌
(
はやりうた
)
にさへ歌はれたことは既に
上
(
かみ
)
に記した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
轎夫
(
きょうふ
)
が分からぬことをいって
賃銭
(
ちんせん
)
を
強請
(
ねだ
)
ったり、この
旦那
(
だんな
)
は重いとか、
荷
(
に
)
が多いとか、
轎
(
かご
)
の中で動いて困るとか、雨が降るとか、橋がないから
御免
(
ごめん
)
とか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
桂華徳街の百○参号、そこが僕の家なのだが、果たしてその処へ一挺の
轎
(
かご
)
が、数人の者によって担い込まれた。
鴉片を喫む美少年
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
黄金
(
こがね
)
の金具を打った
轎
(
かご
)
が
町
(
まち
)
の
四辻
(
よつつじ
)
を南の方へ曲って往った。轎の
背後
(
うしろ
)
にはお
供
(
とも
)
の少女が歩いていた。それは
麗
(
うららか
)
な春の夕方で、
夕陽
(
ゆうひ
)
の中に暖かな微風が吹いていた。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女は身づくろいもそこそこ礼をくり返して
轎
(
かご
)
のうちへ入る。
轎夫
(
かごかき
)
も九死に一生をえた思い。肩を入れるやいな、飛ぶが如く山をくだって行く——。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東海道中の諸作は
具
(
つぶさ
)
に集に載せてある。河崎良佐は始終
轎
(
かご
)
を並べて行つた。二人が袂を分つたのは四日市である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そこにおいて長老たちから
芳醇
(
ほうじゅん
)
なる葡萄酒が供せられ、各自
轎
(
かご
)
に乗駕してこの都会の貴族邸へ、賓客として
舁
(
か
)
かれてまいることが
誌
(
しる
)
されているのであります。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
庄司は喜んで帰って、その袈裟をそっと豊雄にわたした。豊雄は富子の閨房へ往って
隙
(
すき
)
を見て、袈裟を
被
(
き
)
せ、力をきわめて押しふせた。そこへ法海和尚の
轎
(
かご
)
が来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
中国式の
轎
(
かご
)
は
不潔
(
ふけつ
)
ではあるが、読書することもできれば、眠ることもできて、僕には最も
都合
(
つごう
)
よいが、
轎夫
(
きょうふ
)
のがやがや
騒
(
さわ
)
ぐために大いに楽しみの程度を
低
(
ひく
)
められる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
金帛
(
きんはく
)
を以て謝することの出来ぬものも、米穀
菜蔬
(
さいそ
)
を
輸
(
おく
)
って
庖厨
(
ほうちゅう
)
を
賑
(
にぎわ
)
した。後には遠方から
轎
(
かご
)
を以て迎えられることもある。馬を以て
請
(
しょう
)
ぜられることもある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
金粉をまき散らしたような西の空に
紅
(
あか
)
い
陽
(
ひ
)
がどんよりとかくれた。そこここの人家の
門口
(
かどぐち
)
に咲いていた
李
(
すもも
)
の花も灰色になった。きれいな
轎
(
かご
)
は郊外にある大きな邸宅の門へ入った。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
銃を擬した兵卒が左右二十人ずつ
轎
(
かご
)
を
挟
(
さしはさ
)
んで、一つ一つ戸を開けさせて
誰何
(
すいか
)
する。女の轎は
仔細
(
しさい
)
なく通過させたが、成善の轎に至って、審問に時を費した。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
轎
(
かご
)
に乗った女が来て、お前さんを尋ねている、
丫鬟
(
じょちゅう
)
も一人
伴
(
つ
)
れている」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
結納
(
ゆいのう
)
は
取換
(
とりかわ
)
された。婚礼の当日に、
五百
(
いお
)
は比良野の家に往って新婦を待ち受けることになった。貞固と五百とが窓の
下
(
もと
)
に対坐していると、新婦の
轎
(
かご
)
は門内に
舁
(
か
)
き入れられた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それは見る眼にも
眩
(
まぶ
)
しい金と銀の金具をちりばめた
轎
(
かご
)
であった。
棄轎
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
轎
漢検1級
部首:⾞
19画
“轎”を含む語句
轎夫
輿轎
轎丁
轎舁
大轎
女轎
山轎
法師轎
空轎
竹轎
轎中
轎前
轎屋
轎扉
轎車