“地摺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じずり20.0%
じず20.0%
じずれ20.0%
ちすり10.0%
ちずり10.0%
ぢず10.0%
ぢずり10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「御家中の、地摺じずり青眼せいがんどのが、龍王寺に泊っている武芸者を訪ねて、問答をしたことをお聞きになりましたか」
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鍋山は左の足をぐっと引いて半身になり、木刀の尖を床につくほど下げ、(地摺じずり青眼とでもいうのか)凄味すごみのある構えで、じんわりと伊兵衛の眼に見いった。
雨あがる (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と、前後まえうしろの屋台の間に、市女いちめの姫の第五人目で、お珊が朗かな声を掛けた。背後うしろに二人、朱の台傘をひさしより高々と地摺じずれの黒髪にさしかけたのは、白丁扮装はくちょうでたち駕寵かご人足。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長庵より知らせやりしに十兵衞の妻おやす妹娘いもとむすめお富は地摺ちすり足摺あしずりしてなげけども詮方せんかたなく終に兩人ながら出府して長庵方へ引取れけり其内に長庵は又一ツの惡計あくけい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
両手にひろげし玉章たまずささっと繰落して、地摺ちずりに取る。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さつとおとして、やなぎ地摺ぢずりに枝垂しだれたが、すそからうづいてくろわたつて、れるとおもふと、湯氣ゆげしたやうな生暖なまぬるかぜながれるやうに、ぬら/\と吹掛ふきかゝつて、どつくさあふつてつたが、すそ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さかりときこずゑ中空なかぞらに、はなまちおほうて、そして地摺ぢずりえだいた。よるもほんのりとくれなゐであつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)