“じずれ”の漢字の書き方と例文
語句割合
地摺100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、前後まえうしろの屋台の間に、市女いちめの姫の第五人目で、お珊が朗かな声を掛けた。背後うしろに二人、朱の台傘をひさしより高々と地摺じずれの黒髪にさしかけたのは、白丁扮装はくちょうでたち駕寵かご人足。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
曳声えいごえを揚げて……こっちは陽気だ。手頃な丸太棒まるたんぼう差荷さしにないに、漁夫りょうしの、半裸体の、がッしりした壮佼わかものが二人、真中まんなかに一尾の大魚を釣るして来た。魚頭を鈎縄かぎなわで、尾はほとんど地摺じずれである。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)