地摺じずり)” の例文
「御家中の、地摺じずり青眼せいがんどのが、龍王寺に泊っている武芸者を訪ねて、問答をしたことをお聞きになりましたか」
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翼ののろい、大きな蝙蝠こうもりのように地摺じずりに飛んで所を定めぬ、煎豆屋いりまめやの荷に、糸のような火花が走って
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よく世間の武芸者のうちに、地摺じずり青眼せいがんなどということを口にするのを聞くが、そんな構えは何流にもありようはない。児戯じぎにひとしいと、笑っていたそうです。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地摺じずり青眼せいがんどの、いよいよ、目はしら立てて、然らば見せよ、いざ起て、ときこんだそうですが、先はからから笑ってばかりいて、いずれお目にかけよう、今日はまずまずとばかりで
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)