輿かご)” の例文
何よりお前、私のお客、この大空の霧を渡って輿かごでおいでのお亀様にも、途中失礼だと思ったから、雨風と、はたた神で、鷹狩の行列を追崩す。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(門の内を見る)お輿かごが来るようだ。お医者さまのお帰りなのだろう。(門のほうに行く)
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
朱の盤 (真仰向あおむけに承塵てんじょうを仰ぐ)屋の棟に、すでに輿かごをばお控えなさるる。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
善鸞、勝信門にせ入る。輿かごそれにつづく。僧二人も退場。舞台一瞬間空虚。黒き鳥四、五羽庭の木立ちより飛びいで、月の前をかすめて怪しげなる声にて鳴きつつ、屋根の上を飛ぶ。舞台回る。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
勝信 (輿かごのほうにせ寄る)善鸞様ではございませぬか。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)