“御輿入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おこしいれ60.0%
おこしい40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「志保田の嬢様が城下へ御輿入おこしいれのときに、嬢様を青馬あおに乗せて、源兵衛が覊絏はづないて通りました。——月日の立つのは早いもので、もう今年で五年になります」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「御兩人と申しても、これは多分、吉住樣お一人へ奧方から仰しやつたので御座いませう。吉住樣は文武の達人で、酒井樣から、奧方附として、御輿入おこしいれしたがつて植村家へ入られ、其儘御側用人に取立てられた方でいらつしやいます」
「へえ、そうあるかい。」とおまんがそれを引き取って、「お二人とも苦しい立場さね。そりゃ、お前、和宮さまは京都から御輿入おこしいれになったし、天璋院さまは薩摩からいらしったかただから。」
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、相当なる理由を発見して頌徳表しようとくへうを呈したる時、春山と呼ばれたる陸軍中尉の妻女「あら、麦沢先生、山木様はくに御約束で、最早もう近々に御輿入おこしいれになるんですよ」と、黄色な声してくちれぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)