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籃
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かご
ふりがな文庫
“
籃
(
かご
)” の例文
叢
(
くさむら
)
の陰から子供の歌がきこえる。やがて子供四人登場。女の子ばかり。手ぬぐいをかぶり、
籃
(
かご
)
を持っている。唯円、かえで離れる。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
籃
(
かご
)
を取り
巻
(
ま
)
いた連中は、サンドヰツチを
食
(
く
)
ひ
出
(
だ
)
した。
少
(
すこ
)
しの
間
(
あひだ
)
は静であつたが、思ひ
出
(
だ
)
した様に与次郎が又広田先生に話しかけた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
村落には石の
井
(
いど
)
があって、その辺は殊に
楊
(
やなぎ
)
が多い。楊の下には
清
(
しん
)
国人が
籃
(
かご
)
をひらいて
蟹
(
かに
)
を売っている。蟹の大なるは尺を越えたのもある。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
薄い
白楊
(
はこやなぎ
)
の板を曲げて拵らえた箱だの、白樺の皮で編んだ
籃
(
かご
)
だの、その他貧富の別なくロシア人が日常つかうさまざまな道具の山であった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
清の
雍正
(
ようせい
)
年間。草原。処々に柳の立木あり。その間に荒廃せる礼拝堂見ゆ。村の娘三人、いずれも
籃
(
かご
)
を腕にかけつつ、
蓬
(
よもぎ
)
なぞを摘みつつあり。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
その時はおん身に
搖
(
ゆ
)
られし
籃
(
かご
)
の中なる兒は、知らぬ牧者の妻となりて、おん身が前にぬかづくならん。おん身は人に
驕
(
おご
)
るやうにはなり給はじ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
手のこんだ瓦葺の屋根を書くのには長い時間を要するから、私はやらなかった。左手には傘を入れた
籃
(
かご
)
が見えている。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
巨人また石を拾うて天に向って
抛
(
ほう
)
ると雲を凌いでまた還らぬ、縫工兼ねて餌食にと
籃
(
かご
)
に入れ置いた生鳥を出し石と称して抛り上げると飛び上がって降りて来ぬ
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
どりゃ、
太陽
(
ひ
)
が
其
(
その
)
燃
(
も
)
ゆるやうな
眼
(
まなこ
)
を
擧
(
あ
)
げて
今日
(
けふ
)
の
晝
(
ひる
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
昨夜
(
さくや
)
の
濕氣
(
しっき
)
を
乾
(
かわか
)
す
前
(
まへ
)
に、
毒
(
どく
)
ある
草
(
くさ
)
や
貴
(
たふと
)
い
液
(
しる
)
を
出
(
だ
)
す
花
(
はな
)
どもを
摘
(
つ
)
んで、
吾等
(
われら
)
の
此
(
この
)
籃
(
かご
)
を一
杯
(
ぱい
)
にせねばならぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そんなみちみち私の
出遇
(
であ
)
うのは、ごく
稀
(
まれ
)
には散歩中の西洋人たちもいたが、
大概
(
たいがい
)
、枯枝を
背負
(
せお
)
ってくる老人だとか
蕨
(
わらび
)
とりの帰りらしい
籃
(
かご
)
を
腕
(
うで
)
にぶらさげた娘たちばかりだった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
幕府にとって、伊達家は
籃中
(
びく
)
の魚であり、どうじたばたしてもその
籃
(
かご
)
からのがれることはできないし、へたに暴れだせば
却
(
かえ
)
って
爼上
(
そじょう
)
にのせられる、ここはがまんすべきときだ。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
按
(
あん
)
ずるに、火の
原因
(
おこり
)
は、昼、
初春
(
はる
)
の
宴
(
うたげ
)
に、たくさんな
花籃
(
はなかご
)
が持ち込まれており、上には、蝶花の祭り
簪
(
かんざし
)
がたくさん
挿
(
さ
)
してあったが、
籃
(
かご
)
の底には、
硫黄
(
いおう
)
、
焔硝末
(
えんしょうまつ
)
、火薬玉などが
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はて、返事が
無
(
ね
)
えの、
可
(
よ
)
し可し。」と
籃
(
かご
)
に
籠
(
も
)
りたる菓子を
掴
(
つま
)
めば、
堪
(
こら
)
えかねて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『もっと、もっと、もっと
胡桃
(
くるみ
)
を拾って! 君達の
籃
(
かご
)
一杯にするんだよ。そしたら、クリスマス時分には、僕がみんなにそれを割って上げて、いろいろいい話を聞かして上げるからね!』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
お峯は羽織の
紐
(
ひも
)
を解きつ結びつして、言はんか、言はざらんかを
遅
(
ためら
)
へる
風情
(
ふぜい
)
なるを、
強
(
し
)
ひて問はまほしき事にはあらじと思へば、貫一は
籃
(
かご
)
なる栗を取りて
剥
(
む
)
きゐたり。彼は
姑
(
しばら
)
く打案ぜし後
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一
旦
(
たん
)
塒
(
とや
)
に
就
(
つ
)
いた
鷄
(
とり
)
が
餌料
(
ゑさ
)
を
見
(
み
)
てはみんな
籃
(
かご
)
からばさ/\と
飛
(
と
)
びおりてこツこツと
鳴
(
な
)
きながら
爪
(
つめ
)
で
掻
(
か
)
つ
拂
(
ぱ
)
き/\
爭
(
あらそ
)
うて
啄
(
つゝ
)
いた。
勘次
(
かんじ
)
は
遂
(
つひ
)
に
鷄
(
とり
)
の
數
(
かず
)
の
不足
(
ふそく
)
して
居
(
ゐ
)
ることを
確
(
たしか
)
めざるを
得
(
え
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
芥川龍之介氏の句に「漢口」という前書で「一
籃
(
かご
)
の暑さてりけり
巴旦杏
(
はたんきょう
)
」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
満ちたる大いなる
籃
(
かご
)
と五升入りの徳利とを両手に
提
(
さ
)
げて訪い来たれり
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
木村の持って来た
果物
(
くだもの
)
をありったけ
籃
(
かご
)
につめて
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
すると清子はその
籃
(
かご
)
をすぐ下女に渡した。下女はどうしていいか
解
(
わか
)
らないので、器械的に手を出してそれを受取ったなり、黙っていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
猴は初めから棗に眼を付けたが少しも気色に
露
(
あら
)
わさねば誰もこれを知らず、猴初めは棗入れた
籃
(
かご
)
に近寄るを好まぬようだったが芸をやりながら漸次これに近付き
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そして彼らについて出て見ると、園の
蓄水池
(
ちくすいち
)
の
畔
(
ほと
)
り、涼しげな
楊柳
(
ようりゅう
)
の木蔭に、
莚
(
むしろ
)
をのべ、
酒壺
(
さかつぼ
)
を備え、
籃
(
かご
)
には肉の料理やら
果物
(
くだもの
)
を盛って、例の与太もン二、三十が恐れ
畏
(
かしこ
)
んで待っている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「われわれが先ず上がって、それからお前を
籃
(
かご
)
にのせて吊りあげてやる」
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
(
籃
(
かご
)
をさし出す)もうこんなにたんとになってよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
ひと
籃
(
かご
)
の暑さ照りけり巴旦杏
雑信一束
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼の車室内へ運んでくれた
果物
(
くだもの
)
の
籃
(
かご
)
もあった。その
葢
(
ふた
)
を開けて、二人の
伴侶
(
つれ
)
に夫人の贈物を
配
(
わか
)
とうかという意志も働いた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(
籃
(
かご
)
の中から野菊を出して地蔵の前に立てる)
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
申し合せたように、
舟中
(
ふねじゅう
)
立ち上って
籃
(
かご
)
の内を覗くと、七八寸もあろうと云う魚が、縦横に狭い水の中を
馳
(
か
)
け廻っていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
千代子は面白半分それを受取って水の中で動かそうとしたが、動きそうにもしないので、高木は
己
(
おの
)
れの手を添えて二人いっしょに
籃
(
かご
)
の中を
覚束
(
おぼつか
)
なく
攪
(
か
)
き廻した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
美禰子は其
傍
(
そば
)
に
坐
(
すは
)
つて、
籃
(
かご
)
の
中
(
なか
)
のものを小皿へ取り分けてゐる。与次郎と美禰子の問答が始つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
書
(
か
)
いても
可
(
よ
)
くつて」と聞いた。其
眼
(
め
)
を見た時に、三四郎は
今朝
(
けさ
)
籃
(
かご
)
を
提
(
さ
)
げて、折戸からあらはれた瞬間の女を思ひ
出
(
だ
)
した。
自
(
おのづ
)
から酔つた心地である。けれども酔つて
竦
(
すく
)
んだ心地である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
重そうに
籃
(
かご
)
を
提
(
さ
)
げている清子の様子を見た津田は、ほとんどこう云いたくなった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花を墓に、墓に口を
接吻
(
くちづけ
)
して、
憂
(
う
)
きわれを、ひたふるに嘆きたる女王は、
浴湯
(
ゆ
)
をこそと召す。
浴
(
ゆあ
)
みしたる
後
(
のち
)
は
夕餉
(
ゆうげ
)
をこそと召す。この時
賤
(
いや
)
しき
厠卒
(
こもの
)
ありて小さき
籃
(
かご
)
に
無花果
(
いちじく
)
を盛りて参らす。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
籃
漢検1級
部首:⽵
20画
“籃”を含む語句
揺籃
魚籃
搖籃
提籃
花籃
魚籃坂
竹籃
小籃
籃蒸
盛籃
籃製
籃輿
籠揺籃
胴籃
茶籃
菜籃
都籃
飯籃
魚籃観音
籃入
...